
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
神棚は、お札(お神札)を神社に納めたうえで、本体は神社でのお焚き上げや自治体のごみ収集などで処分できます。魂入れ(御霊入れ)をしていない神棚はそのまま処分できるという考え方が一般的ですが、作法や要否は神社・地域によって異なるため、迷ったら氏神神社(近くの神社)に確認してから進めると、後から悔いが残りません。
この記事でわかること
- 神棚を処分する前に確認しておきたいこと
- 神棚の処分方法5つと、それぞれの費用の目安
- お札・神具・お供え物の品目別の片付け方
- 仏壇と神棚を同時に整理するときの段取り
【早わかり】神棚処分の要点
- お札は神社の古神札納所(古いお札の納め所)やどんど焼きに納める。費用は無料〜数千円程度(自社調べ)
- 神社に御霊抜きとお焚き上げをお願いする場合の目安は5,000円〜3万円程度(自社調べ)
- 木製の神棚は燃えるごみとして出せる自治体が実際にある。粗大ごみでも数百円〜2,000円程度(自治体により異なる)
- 陶器・金属・ガラスの神具はお焚き上げできないため、自治体の分別ルールに従って処分する
- 仏壇も一緒に整理するなら、神棚は神社・仏壇は寺院と相談先が分かれる。先に供養の日程を押さえるのが段取りのコツ
この記事は、引っ越しや実家じまい、リフォーム、介護施設への入居などをきっかけに、神棚を維持できなくなった方に向けて書いています。実家の片付けでは仏壇と神棚が同時に出てくることも多いので、両方をまとめて進める段取りにも触れます。店頭でお客さまにお話しする流れのまま、順番に説明していきますね。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
神棚はそのまま捨てていい?処分の前に確認したいこと

結論から言うと、神棚の本体は木でできた「棚」なので、最終的には家庭ごみとして処分できます。ただしその前に、「お札を外すこと」と「魂入れをしたかどうかを確かめること」という2つの準備があります。
神棚とは、神社でいただいたお神札(おふだ)をお祀りするための棚のことです。処分するのはあくまで棚の部分で、中のお札は神社に納めるのが基本の形です。お札を入れたままごみに出してしまい、後から気に病む方が本当に多いので、まずは扉を開けて中身を確認してください。
次に、魂入れの有無を確認します。魂入れ(御霊入れ)とは、神棚を新しく設けるときに神職に来ていただいて行う祈祷のことです。魂入れをしていない神棚は、通常のごみとして処分できるという考え方が一般的です。一方で魂入れをした神棚は、御霊抜きというお祓いを済ませてから処分する方が多くいらっしゃいます。長年家を見守ってもらった感謝を伝えて、気持ちに区切りをつけるためです。
「魂入れをしたかどうか分からない」という場合は、神棚を設けたときのことを知っていそうな家族・親族に聞いてみてください。誰にも確認できないときは、氏神神社の社務所に事情を話して相談すれば大丈夫です。作法や要否の考え方は神社や地域によって異なるので、正解をひとりで抱え込む必要はありません。
処分までの全体の流れは、次の4ステップです。
- 神棚の中のお札を外し、神社に納める
- 魂入れをしたかどうかを確認する
- 魂入れをしていた場合は、御霊抜きを神社に依頼する
- 本体と神具を分けて、それぞれ処分する
神棚を処分する方法5つと費用の目安

神棚本体の処分方法は、大きく分けて次の5つです。費用は無料で済むものから3万円程度までと幅があります(自社調べ)。
| 方法 | 費用の目安 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| ① 神社で御霊抜き+お焚き上げ | 5,000円〜3万円程度(自社調べ) | 最も丁寧。神棚本体を受け付けるかは神社により異なる |
| ② 郵送のお焚き上げサービス | 1箱あたり5,000円〜1万円程度(自社調べ) | 遠方・多忙な方向け。供養証明書が届くサービスもある |
| ③ 神棚販売店・仏壇店の引き取り | 5,000円〜3万円程度(自社調べ) | 買い替えとセットが基本。祈祷の手配可否を確認 |
| ④ 不用品回収・遺品整理業者 | 見積もり制 | 実家整理で家財とまとめて処分する場合に |
| ⑤ 自治体のごみ収集 | 無料〜2,000円程度(自治体により異なる) | 木製本体は燃えるごみの自治体が多い。お札は外して神社へ |
① 神社で御霊抜きとお焚き上げをしてもらう
御霊抜き(みたまぬき)とは、神棚を片付ける前に神社にお願いするお祓い・祈祷のことです。魂抜きや神棚祓いなど、神社によって呼び方が異なります。氏神神社の社務所に電話をして、「神棚を片付けたいので、お祓いとお焚き上げをお願いできますか」と聞くのがいちばん確実です。
費用は初穂料または玉串料として納めます。初穂料(はつほりょう)とは、神社に納める謝礼の表書きのひとつです。金額の目安は5,000円〜3万円程度で(自社調べ)、白い封筒に「初穂料」または「玉串料」と書いてお渡しします。
注意したいのは、お札は受け付けていても、神棚本体のお焚き上げは行っていない神社もあることです。受け付けの品目は神社ごとに違うので、持ち込む前に必ず社務所へ問い合わせてください。
② 郵送のお焚き上げサービスを使う
申し込むと専用の箱が届き、神棚を詰めて送ると祈祷からお焚き上げまで行ってもらえるサービスです。費用は1箱あたり5,000円〜1万円程度が目安です(自社調べ)。
実家が遠方の方や、仕事や介護でなかなか時間が取れない方に向いています。お焚き上げの証明書を発行してくれるサービスもあり、離れて暮らす家族に報告しやすいのも利点です。
③ 神棚販売店・仏壇店に引き取ってもらう
新しい神棚への買い替えなら、購入する店に古い神棚の引き取りを相談するのが手間の少ない方法です。引き取り費用の目安は5,000円〜3万円程度です(自社調べ)。
当店は仏壇のリメイク専門で神棚のお取り扱いはありませんが、地域の神具店・仏壇店には引き取りに対応している店があります。依頼するときは、御霊抜き(祈祷)の手配までしてもらえるか、それとも自分で神社に頼む必要があるかを確認しておくと、後の段取りが立てやすくなります。
④ 不用品回収・遺品整理業者にまとめて頼む
実家じまいなどで家具・家電と一緒に片付けるなら、遺品整理業者にまとめて依頼する方法があります。神棚単体の料金を出している業者は少なく、家全体の見積もりに含める形が中心です。
業者を選ぶときに見きわめたいのは、自治体の許可を得ているか(または許可業者と提携しているか)、そして神棚や仏壇の供養・祈祷の手配に対応しているかの2点です。中でも「供養も相談できるか」は、料金と同じくらい大事な比較ポイントです。
⑤ 自治体のごみとして出す
魂入れをしていない神棚や、御霊抜きを済ませたあとの本体は、自治体のごみ収集で処分できます。当店で各地の分別表を調べたところ、木製の神棚を燃えるごみ(燃やせるごみ)として収集している自治体が実際にあります(例: 福島県本宮市・福岡市)。
ただし、分別表に神棚という品目自体が載っていない自治体もあります。指定袋に入らない大きさなら粗大ごみになり、手数料は数百円〜2,000円程度です(自治体により異なる)。迷ったときは、お住まいの自治体のごみ窓口で品目の扱いを教えてもらえます。金具や金属の飾りが付いている場合は、外して分別するのを忘れずに。
お札・神具・お供え物はどう処分する?品目別の片付け方
神棚まわりの品物は、「お焚き上げに出すもの」と「自治体の分別に従うもの」に分かれます。素材で判断するのがコツです。
お札(お神札)
お札は、いただいた神社の古神札納所(古いお札の納め所)に納めて、お焚き上げしてもらうのが基本です。遠方の神社のお札は、近くの神社で受け付けてもらえるか事前に確認してください。伊勢神宮のお札(神宮大麻)は、1年間の感謝を込めて近くの氏神神社に納めてよいとされています。
年末年始から1月15日頃にかけては、多くの神社で「どんど焼き」(左義長とも呼ばれます)が行われ、正月飾りと一緒に古いお札を焚き上げてもらえます。費用は無料〜数千円程度で(自社調べ)、お気持ちとして納める形の神社も多くあります。
しめ縄などの燃える飾り
しめ縄のようなわら・紙の飾りは、お札と同じくどんど焼きや神社のお焚き上げに出せます。ただし受け付け品目は神社ごとに異なるため、こちらも事前の確認をおすすめします。
神具(榊立て・神鏡・徳利など)
陶器・金属・ガラス製の神具は、火で焚き上げられないためお焚き上げの対象外としている神社が多いです。自治体の分別ルールに従い、不燃ごみなどとして処分してください。
お供え物(米・塩・酒)
お供えしていた米・塩・酒は、お下がりとしていただくのが基本の考え方です。食べるのが難しい場合は、白い紙に包んで処分する方法が知られています。
仏壇と神棚を同時に整理するときの段取り

実家じまいや引っ越しでは、神棚と仏壇が同時に出てくることがよくあります。このとき大事なのは、神棚は神社、仏壇は寺院と相談先が分かれることを踏まえて、先に両方の供養の日程を決めてしまうことです。
仏壇を手放す場合は、閉眼供養を行ってから処分するのが一般的な流れです。閉眼供養(へいげんくよう)とは、仏壇を手放す前に僧侶にお願いして魂を抜く儀式のことです。お布施の目安は1万〜5万円程度です(自社調べ)。宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もありますので、進め方は菩提寺に確認すると確実です。
同時に進めるときは、次の順番をおすすめします。
- 家族・親族に声をかける
- 神社(御霊抜き)と寺院(閉眼供養)にそれぞれ連絡し、日程を決める
- お祓い・供養を済ませる
- 神棚と仏壇の本体をまとめて処分する(業者に一括で頼むか、それぞれの方法で)
最初の家族への相談は飛ばさないでください。神棚も仏壇も、家族みんなが手を合わせてきた場所です。だからこそ「こういう形で区切りをつけようと思う」と先に伝えておくと、みんなが納得して送り出せますし、後から「聞いていなかった」という寂しい思いをさせずに済みます。
当店にも「実家を片付けたら、仏壇と神棚が両方出てきて途方に暮れた」というご相談は珍しくありません。窓口が分かれていて面倒に感じますが、順番さえ決めてしまえば一つずつ落ち着いて進められます。
どの方法を選ぶ?こんな人におすすめ・おすすめしない人
迷ったら、「気持ちの区切りをどこまで丁寧につけたいか」と「かけられる手間」で選ぶのがおすすめです。
神社での御霊抜き+お焚き上げがおすすめの人
- 魂入れをした神棚、または長年お祀りしてきた神棚を手放す人
- 感謝を伝えて、しっかり区切りをつけたい人
郵送のお焚き上げサービスがおすすめの人
- 実家が遠方で、何度も足を運べない人
- 仕事や介護で神社に出向く時間が取れない人
自治体のごみ収集がおすすめの人
- 魂入れをしていないことがはっきりしている人
- 費用をできるだけかけたくない人
不用品回収・遺品整理業者がおすすめの人
- 実家じまいなどで、家財全体をまとめて片付ける人
おすすめしない人
- お札が入ったままか確認せずにごみへ出そうとしている人。まず扉の中を確認し、お札は神社へ納めてください
- 家族に知らせず一人で進めようとしている人。家族みんなでお祀りしてきたものだからこそ、一言の相談が後々の気持ちの落ち着きにつながります
- 「無料回収」をうたう許可の分からない業者に頼もうとしている人。トラブルの元になるため、許可や実績を確認できる業者を選んでください
仏壇も一緒に整理する方へ — 捨てずに残す選択肢があります

神棚と一緒に仏壇の整理も考えている方に、ひとつ知っておいてほしいことがあります。仏壇は処分するだけでなく、一部を活かして小さく作り直し、手を合わせる場所を残すという方法があります。
当店の「結壇」は、仏壇をお引き取りし、扉や彫刻などの部材を活かして手のひらサイズの仏壇に作り直すサービスです。作り直す前に提携寺院で魂抜き(供養)を行い、そのうえで職人が加工に入ります。料金は118,000円(税込)からで供養の費用も含まれており、納期は約2〜3ヶ月です。仏壇の引き取り費用は地域ごとに別途かかります。
1つの仏壇から複数のミニ仏壇を作って、兄弟・親族で分け合う「形見分け」のご依頼も増えています。実家に置けなくても、それぞれの家に小さな手を合わせる場所を持てるからです。詳しい流れはサービス紹介ページを、料金の内訳はご利用料金をご覧ください。実際にご利用いただいた方の感想はお客様の声で紹介しています。
なお、結壇がお手伝いできるのは仏壇とその関連品で、神棚はお引き受けの対象外です。仏壇を手放すと決めている場合も、結壇では供養をしたうえでお引き取りする形をご案内していますので、まずはお気軽にご相談ください。
神棚の処分についてよくある質問
Q1. 神棚を処分するのに良い時期はありますか?
決まった時期はありません。強いて言えば、どんど焼きが行われる年末年始から1月15日頃はお札を納めやすいタイミングです。実際には引っ越しやリフォームなど、ご家庭の節目に合わせて処分する方がほとんどです。
Q2. 神棚を手放したあとも、お札だけお祀りを続けられますか?
続けられます。お札立てや簡易的な棚を使って、目線より高い清らかな場所にお祀りする方法があります。神棚と同じように正面が南か東を向く置き方が基本とされていますが、住まいの間取りで難しい場合は、どう置けばよいかを氏神神社に相談してみてください。
Q3. 買い替えの場合、古い神棚はどうすればいいですか?
手順は処分のときと同じですが、買い替えなら新しい神棚を求める神社や販売店に、古い神棚の引き取りやお焚き上げをまとめて相談できることが多いです。古い神棚の御霊抜きと新しい神棚への魂入れを一度にお願いできるかも、あわせて確認しておくと二度手間になりません。
Q4. 遠方の実家の神棚を、立ち会わずに処分できますか?
できます。郵送のお焚き上げサービスなら箱に詰めて送るだけで済みますし、遺品整理業者も条件が合えば立ち会いなしで作業してくれることがあります。お札だけは帰省のタイミングで家族が神社へ納めるなど、分担して進める方法もあります。
Q5. 会社や事務所の神棚も同じ方法で処分できますか?
基本の手順は家庭と同じで、お札を神社に納めてから本体を処分します。会社の場合は、創業や事務所開きのときに祈祷をお願いした神社があれば、まずそちらに相談すると話が早いです。移転や閉業は従業員にとっても節目なので、お祓いの日をひとつの区切りとして設ける会社もあります。
まとめ — 神棚の処分は「お札を納めてから」が基本
神棚の処分は、お札を神社に納める、魂入れの有無を確認する、必要なら御霊抜きをする、本体と神具を分けて処分する、という順番で進めれば難しくありません。費用も、自治体のごみなら無料か数百円程度から、神社に丁寧にお願いしても3万円程度までが目安です(自社調べ)。
大事なのは、金額よりも「家族が納得できる形で区切りをつけること」だと私は思います。仏壇も一緒に整理される方は、捨てる以外の選択肢もあることを思い出していただけたらうれしいです。