
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
二人暮らしの家に仏壇を置けるかどうかは、部屋の広さよりも「今ある仏壇のサイズを、今の暮らしに合わせられるか」で決まります。置くか手放すかの二択で悩む前に、元の仏壇を小さく作り直して残すという道もあることを、先にお伝えしておきます。
【早わかり】二人暮らしの仏壇の要点
- 仏壇の置き場所や向きに厳密な決まりはなく、毎日手を合わせやすく、お手入れしやすい場所が優先されるという考え方が一般的です
- 二人暮らしの住まいでは上置き型やミニ仏壇が中心。採寸するのは外寸(高さ・幅・奥行き)と置き台の高さ、扉を開いたときの幅、そして搬入経路です
- 仏壇が2つになったときは「1つにまとめる」「2つとも祀る」のほかに、両方を小さく作り直して並べるという方法もあります
- 仏壇は遺産分割の対象ではなく祭祀財産として承継され(民法897条)、日常礼拝している仏壇・仏具には相続税がかかりません(国税庁 タックスアンサー No.4108)
- 費用の目安は、小型仏壇の購入が3万〜20万円程度、供養したうえで手放す場合が2万〜6万円程度(いずれも自社調べ)。小さく作り直す場合は一般的な業者で30万〜100万円程度(自社調べ)、結壇では118,000円〜(税込・供養費込み/引き取り費は別途)です
この記事でわかること
- 二人暮らしの家で、大きな仏壇をどうするかの選択肢と費用の目安
- 夫婦それぞれの実家から仏壇や位牌が2つ来たときの考え方
- 置き場所とサイズの具体的な決め方(採寸・搬入経路・避けたい環境)
- 二人で、そして親族と話し合うときの進め方と法律上の位置づけ
- 継ぐ人がこの二人しかいない場合に、今のうちにできること
想定読者
夫婦二人暮らしで実家の仏壇を引き継ぐことになった方、結婚や同居で仏壇や位牌が2つになった方、高齢のご夫婦や親子二人暮らしで大きな仏壇の管理が負担になってきた方を想定しています。どなたも「小さくしたいけれど、相手の家のご先祖さまを勝手に決められない」という気持ちを抱えていらっしゃることが多いです。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
まず決めるのは「モノを残したいのか、手を合わせる場所が欲しいのか」

二人暮らしの仏壇で迷ったときは、方法を比べる前にこの一点を整理すると話が早く進みます。同じ「捨てたくない」でも、指している中身が二人で違っていることが少なくないからです。
一つは、代々受け継いできた仏壇そのもの、つまりモノを残したいという気持ちです。彫刻や扉の木目に親御さんの手入れの跡が残っていて、それごと手放すのがつらいというお話は、当店でもよくうかがいます。
もう一つは、モノは新しくても構わないので、手を合わせる場所さえあればよいという考え方です。この場合は小型の仏壇に買い替えたり、位牌や過去帳だけを引き継いだりする方法が合っています。
二人の答えが違っていても問題ありません。どちらの気持ちも言葉にしてから選択肢を見比べると、「なんとなく決めてしまった」という後悔が残りにくくなります。
二人暮らしの家で大きな仏壇をどうするかの選択肢

大きな仏壇を引き継ぐ場合、選べる道は主に5つです。費用だけでなく「手を合わせる対象が残るかどうか」を並べて見ると、二人にとっての優先順位が見えてきます。
| 方法 | 費用の目安 | 手を合わせる対象 | 二人暮らしとの相性 |
|---|---|---|---|
| そのまま置く | 運搬費のみ | 元の仏壇が残る | 仏間や和室があれば可能。マンションや洋室中心の住まいでは圧迫感と搬入経路が壁になりやすい |
| 小型仏壇に買い替える | 購入費3万〜20万円程度(自社調べ)+元の仏壇の供養・処分費 | 新しい仏壇が残る | 費用を抑えやすい反面、元の仏壇は手元に残らない |
| 供養したうえで手放す | 仏壇店・専門業者に供養と引き取りまで頼んで2万〜6万円程度(自社調べ)/自治体の粗大ごみは数百円〜2,000円程度(自治体により異なる・供養は別途) | 残らない | 継ぐ方がいない、管理が難しいという場合の現実的な選択 |
| 小さく作り直す(リメイク) | 一般的な業者で30万〜100万円程度(自社調べ)/結壇は118,000円〜(税込・供養費込み・引き取り費別途) | 元の仏壇の一部が残る | 置き場所の問題と「捨てたくない」という気持ちを同時に解決できる |
| 一時的に預ける | 月数千円程度+往復の運送費(自社調べ) | 元の仏壇が残る(手元にはない) | 住み替えや入居待ちなど、期間が決まっているときの手段 |
自治体の粗大ごみに出す場合、供養は含まれません。閉眼供養(へいがんくよう。仏壇から魂を抜くための儀式)を希望するなら、菩提寺か僧侶に別途お願いする形になります。お布施の目安は1万〜5万円程度(自社調べ)です。
なお、宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の家の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
また、菩提寺が仏壇本体まで引き取ってくださる例は極めて稀です。供養は菩提寺にお願いし、本体の引き取りは仏壇店や専門業者に手配するという分担が基本形だと考えてください。
仏壇や位牌が2つになったときの考え方

結婚や同居、親御さんの相続が重なると、夫婦それぞれの実家から仏壇や位牌が来て2つになることがあります。二人暮らしの住まいでは置き場所の確保が難しく、ここでつまずく方が多い場面です。
考えられる方法は4つあります。どれが正しいというものではなく、住まいの広さと二人の気持ちの両方から選んでいきます。
| 選択肢 | 内容 | 留意したいこと |
|---|---|---|
| 2つとも祀り続ける | 部屋を分けて置く。同じ部屋に置く場合は、向かい合わせや上下に重ねる配置を避けるという考え方が一般的 | 二人暮らしの住まいでは、2つ分の場所を確保できないことが多い |
| 1つにまとめる | 片方を残し、もう一方は供養したうえで手放す。位牌や過去帳は残す側へ移す | どちらの家の仏壇を残すかで気持ちの行き違いが起きやすい。両家の親族に先に相談しておく |
| 2つとも小さく作り直す | それぞれの仏壇の一部を使って小さな仏壇を2つ作り、並べて置く | どちらの家も残せるので、選ぶ苦しさを避けられる。結壇では2つ以上のご注文で2つ目以降が30,000円引きになります |
| 位牌・過去帳だけ引き継ぐ | 本体は供養して手放し、位牌や過去帳を新しい小型仏壇に納める | 費用はいちばん軽い。元の仏壇というモノは残らない |
仏壇を複数持つことについては、宗派や寺院によって考え方が異なることがあります。ご自身の家の進め方は菩提寺に確認しておくと、後から迷いが残りません。
位牌を並べる順番についても、地域や寺院によって考え方が分かれます。当店では、迷われた場合は菩提寺の考え方に合わせることをおすすめしています。
置き場所とサイズは採寸と搬入経路で決まる

置き場所選びで実際に効いてくるのは、方角よりも寸法と経路です。仏壇の置き場所や向きに厳密な決まりはなく、毎日目にして手を合わせられて、掃除がしやすい場所が優先されるという考え方が一般的です。
測っておきたいのは次の5つです。カタログの寸法だけを見て決めると、扉が開かない、引き出しが引けないといったことが起こります。
- 仏壇の外寸(高さ・幅・奥行き)
- 置き台やチェストの高さ(座ったときに本尊が目線よりやや上に来るか)
- 扉を左右に開いたときの全幅
- 引き出しや膳引きを引き出したときの奥行き
- 搬入経路(玄関・廊下の幅、階段の折り返し、エレベーターの間口)
環境面では、直射日光が当たる窓際、エアコンの風が直接当たる位置、水回りのそばを避けるのが実務上の定番です。木地の反りや金具の傷みを早めてしまうためで、これは宗教上の決まりではなく、長く使うための知恵だと考えてください。
二人暮らしの住まいの広さは、国の住生活基本計画で示された誘導居住面積水準では一般型で75平方メートル、都市居住型で55平方メートルが目安とされています(国土交通省)。この広さの住まいに従来の台付き仏壇を入れると、居室の一角を大きく占めることになります。上置き型やミニ仏壇が選ばれやすいのは、こうした事情からです。
小型仏壇は高さ20〜60センチ程度、幅15〜50センチ程度のものが中心です(自社調べ)。この大きさであれば、リビングの棚上やチェストの上にも納まります。ただし数字だけで選ばず、実際に置きたい場所の寸法を先に測っておくことが大切です。
二人で、そして親族と話し合うときの進め方
仏壇の扱いは、二人だけの相談で終わらせず、両家の親族に一声かけてから進めると穏やかにまとまります。「もめないため」という理由だけでなく、どちらの家のご先祖さまも大切にしたいという気持ちを共有できるからです。
法律上、仏壇は遺産分割の対象になる財産ではありません。民法897条では、系譜・祭具・墳墓の所有権は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定められており、被相続人の指定がある場合はその方が承継します。慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定めるとされています(e-Gov法令検索・民法)。
つまり仏壇は「分ける財産」ではなく「引き継ぐ役目」に近い扱いです。だからこそ、金額の話ではなく気持ちの話として、時間をかけて相談する価値があります。
話し合いでは、次の順番で確認していくとまとまりやすくなります。
- 今の仏壇に納められているもの(位牌・過去帳・本尊・遺影・貴重品)を二人で確認する
- どちらの家のご先祖さまも残す方向で考えるのか、1つにまとめるのかを二人で決める
- その方針を両家の親族に伝え、意見があれば聞く
- 菩提寺がある場合は、供養の進め方と時期を相談する
- 置き場所の寸法を測り、方法と費用を比べて決める
仏壇の中には、権利証や現金、古い書付などがしまわれていることがあります。ご家族だけで完全に確認するのは難しいので、引き取りの当日に業者と一緒に最終確認をする流れにしておくと取りこぼしがありません。
継ぐ人がこの二人しかいない場合に、今できること
お子さんがいないご夫婦や、親御さんと二人で暮らしている方から「自分たちの代で仏壇はどうなるのか」というご相談をよくいただきます。この悩みは特別なものではありません。
内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、令和5年時点で65歳以上の方がいる世帯は2,695万1千世帯、全世帯5,445万2千世帯の49.5%を占めます。その世帯構造は「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」がそれぞれ約3割です。二人暮らしのまま仏壇と向き合う家庭は、それだけ多いということです。
今のうちにできることは、大きく3つあります。
- 持ち運べる大きさにしておく。住み替えや施設入居のときに一緒に連れていける寸法なら、そのつど手放すかどうかを悩まずに済みます
- 記録を残す。過去帳や家系のメモを整えておくと、後を託す方が現れたときに引き継ぎやすくなります
- 将来お願いする先を決めておく。菩提寺があるなら永代供養の相談先を、ない場合は供養と引き取りを一括で頼める業者を調べておきます
結壇のお客様の声には、サービス付き高齢者向け住宅へ入居されるご夫婦が大きな金仏壇をコンパクトにされた例や、介護施設に入られるお母さまのお部屋に置ける形へ作り直した親子の例が掲載されています。実際のお声はお客様の声でご覧いただけます。
捨てずに残す選択肢 — 仏壇を手のひらサイズに作り直す

置き場所が足りない、でも手放したくない。この二つが両立しないと感じたときの答えが、元の仏壇を小さく作り直すという方法です。あまり知られていませんが、リメイクを手がける業者は少なく、一般的な選択肢とは言えないのが実情です。
手法は大きく2系統あります。大きな仏壇を今の暮らしに合う寸法へ作り直す「ダウンサイジング」と、元の形を活かして洗浄や塗り直しを行う「仏壇洗濯(せんたく)」です。仏壇洗濯は金仏壇で選ばれることが多い方法です。
結壇ではこの2つに加えて、手のひらサイズまで小さくすることと、1つの仏壇から複数個を作って家族で分けることができます。二人暮らしで仏壇が2つあるご家庭や、ご兄弟と分けたいというご相談に向いた方法です。
活かす部材は、彫刻・扉・木材といった装飾や構造の部分です。どこを残すかは「この彫りを残したい」といったご要望を職人がうかがいながら決めていきます。
| 項目 | 一般的なリメイク業者 | 結壇 |
|---|---|---|
| 費用 | 30万〜100万円程度(自社調べ) | 梅コース118,000円〜(税込)、竹コース168,000円〜、松コース298,000円〜 |
| 料金の分かりやすさ | オーダーメイド型で、見積もりを取るまで総額が分かりにくいことが多い | コース制で金額を先に確認できる |
| 供養(魂抜き) | 供養を行わないことが多い | 供養したうえで加工。費用はコース料金に含む |
| 納期 | 3ヶ月〜半年程度(自社調べ) | 約2〜3ヶ月(松コースは約3ヶ月) |
| 引き取り | 業者により異なる | 別途・地域別(静岡18,000円/関東・東海28,000円/関西29,000円/北陸信越30,000円/四国37,000円/東北・中国38,000円/九州44,000円/北海道51,000円・税込) |
結壇では引き取り、供養、製作、納品までを一括で承ります。位牌の作り直し(19,800円)、おりんセット(22,800円)、仏具一式セット(59,800円)、過去帳の作成(5,980円〜)といったオプションもご用意しています。詳しくはサービス内容とご利用料金をご覧ください。
お預かりできる大きさは3辺の合計で400センチ以内が目安です。これを超える仏壇でも、できる限り対応方法を一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。
手放すと決めた方へ
話し合った結果、仏壇というモノは手放すという結論になっても、それは決して後ろ向きな選択ではありません。結壇では、供養したうえで仏壇をお引き取りするご相談も承っています。仏壇を手放したあとも、位牌や過去帳、お写真を通じて手を合わせる習慣は続けていけます。
供養の日取りやお布施の考え方は寺院によって異なりますので、菩提寺がある場合はまずそちらに相談するのが確実です。菩提寺がない場合は、供養の手配から引き取りまでまとめて頼める先を探すと手間が減ります。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
小さく作り直す方法がおすすめの人
- 実家から引き継いだ仏壇を、二人暮らしの住まいに合う大きさで残したい方
- 夫婦それぞれの実家の仏壇が2つあり、どちらも大切にしたい方
- 将来の住み替えや施設入居を見据えて、持ち運べる大きさにしておきたい方
- 大きな仏壇の掃除やお参りが負担になってきた高齢のご夫婦・親子
別の方法のほうが合う人
- 仏間や和室があり、今の仏壇をそのまま置ける方(無理に小さくする必要はありません)
- 元の仏壇というモノにこだわりがなく、手を合わせる場所があればよい方(小型仏壇への買い替えのほうが費用を抑えられます)
- 数週間以内に住み替えが決まっている方(製作には2〜3ヶ月かかるため、一時預かりとの組み合わせも含めてご相談ください)
- 親族の同意がまだ取れていない方(先に話し合いを済ませてからのほうが、気持ちよく進められます)
よくある質問
Q. 仏壇を引き継ぐと相続税はかかりますか?
墓地や墓石、仏壇、仏具など日常礼拝をしている物には相続税がかかりません(国税庁 タックスアンサー No.4108)。ただし骨とう的価値があって投資の対象となるものや、商品として所有しているものは課税対象になります。判断に迷う場合は税務署か税理士にご確認ください。
Q. 二人暮らしのマンションで、お線香の煙やにおいが心配です。
煙の少ないお線香や短寸のもの、火を使わないLEDのろうそくを選ぶ方が増えています。お参りの前後に少し窓を開けておくと、においがこもりにくくなります。なお、管理規約が仏壇の設置そのものを制限している例は当店では確認していませんが、搬入時のエレベーター利用については管理室に一声かけておくと当日が円滑です。
Q. 施設に入居するとき、小さい仏壇は持ち込めますか?
持ち込めるかどうかは施設ごとの規定によります。火気の使用や棚の設置に条件があることが多いため、入居前に居室の寸法とあわせて確認しておくと、引っ越し当日に置き場所で困らずに済みます。結壇のお客様の声には、サービス付き高齢者向け住宅への入居に合わせて仏壇をコンパクトにされたご夫婦の例が掲載されています。
Q. 小さく作り直すとき、位牌や仏具はどう扱われますか?
結壇では、位牌を新しい仏壇のサイズに合わせて作り直すこともできます(19,800円)。使わなくなった仏具や位牌は、送っていただければ1箱5,000円でお預かりし、供養まで行います。過去帳は書き写して残す方が多く、結壇では5,980円から作成を承っています。
Q. 二人とも仕事で忙しく、毎日お参りできません。それでも仏壇を持つ意味はありますか?
お参りの頻度に決まりはなく、思い出したときに手を合わせるという向き合い方をされている方は大勢いらっしゃいます。当店では、続けられる形にすることのほうが大切だとお伝えしています。毎日通る場所に小さな仏壇を置くと、無理なく手を合わせる習慣がつくという声をよくうかがいます。