
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
仏壇の供養(閉眼供養)は仏壇から魂を抜く「儀式」で、お焚き上げはそのあとに品物を火で焚いて手放す「方法のひとつ」です。つまり両者は別のもので、順番は先に供養、そのあとにお焚き上げや引き取りでの処分になります。
【早わかり】お焚き上げと仏壇供養の違いの要点
- 供養(閉眼供養・魂抜き)は僧侶が執り行う儀式。お布施は1万〜5万円程度(自社調べ)
- お焚き上げは供養のあとの手放し方のひとつ。お札・位牌など小物が中心で、費用は数千円〜1万円程度(自社調べ)
- 仏壇本体を焚き上げられる寺社は少なく、実際には「閉眼供養+業者の引き取り」が主流
- 自宅の庭で仏壇を燃やすのは、法律(野焼きの禁止)により不可
- 結壇では8,800円〜(税込・サイズ別)で引き取り。仏壇供養は22,000円でお布施不要
この記事でわかること
- お焚き上げと供養(閉眼供養)の違いと正しい順番
- お焚き上げの対象になる品・ならない品と依頼するタイミング
- 依頼先別の費用目安と選び方
- 仏壇本体のお焚き上げが難しい理由と、現実的な手放し方
- すべて手放さず、仏壇の一部を残す方法
実家じまいや仏壇じまいを控えて、「お焚き上げと供養って何が違うの?」「両方やらないと失礼?」と迷っている方に向けて書きました。親族に「ちゃんと供養したの?」と聞かれたときに、自信を持って答えられるようになる内容です。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
お焚き上げと仏壇の供養(閉眼供養)の違い

お焚き上げと供養は同じ意味で使われがちですが、指しているものが違います。供養(閉眼供養)は手放す前に行う「儀式」、お焚き上げは儀式のあとの「手放し方のひとつ」です。
閉眼供養(へいげんくよう)とは、僧侶の読経によって仏壇や位牌から魂を抜く儀式のことです。「魂抜き(たましいぬき)」とも呼ばれます。一方、お焚き上げとは、想いのこもった品を読経や祈祷で清めたあと、火で焚いて手放す方法のことです。
| 項目 | 供養(閉眼供養・魂抜き) | お焚き上げ |
|---|---|---|
| 何をするか | 僧侶の読経で仏壇・位牌から魂を抜く | 読経・祈祷のあと、品物を火で焚いて手放す |
| 位置づけ | 手放す前の「区切りの儀式」 | 儀式のあとの「手放し方のひとつ」 |
| 執り行う人 | 寺院・僧侶 | 寺社または供養業者 |
| 順番 | 先 | 後 |
| 費用の目安 | お布施1万〜5万円程度(自社調べ) | 小物で数千円〜1万円程度(自社調べ) |
混同されやすいのは、お焚き上げの場でも読経や祈祷が行われるからです。お焚き上げも感謝を込めた供養の方法のひとつであることは間違いありません。ただ、仏壇の場合は「魂を抜く儀式」が別にあるため、この2つを分けて順番を押さえておくと迷わずに進められます。
なお、宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の宗派の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
お焚き上げとは?対象になる品と依頼するタイミング

お焚き上げの対象になるのは、お札・お守り・位牌・仏像・掛け軸・遺影・人形といった「想いがこもっていて、燃やせる品」です。ガラス・金属・陶器など燃えないものは対象外とする寺社がほとんどなので、額縁や仏具の金属部分は外して持ち込みます。
お焚き上げは、神道では「天に還す」、仏教では「故人のもとに返す」という意味合いで行われてきました。細かな考え方は宗派や神社によって異なりますが、どちらも「粗末にせず、感謝を込めて手放す」という点は共通しています。
依頼するタイミングに決まりはありません。四十九日や一周忌のあと、引っ越しや実家じまいといった暮らしの節目でお願いする方が目立ちます。お正月の「どんど焼き」(年末年始〜1月15日頃に正月飾りやお札を焚き上げる行事)も、身近なお焚き上げの例です。
依頼先は主に次の4つです。
- 菩提寺(付き合いのあるお寺)
- 近くの神社・寺院
- 仏壇店・葬儀社(受付・手配をしてくれる)
- 郵送のお焚き上げ・供養の専門業者
供養のあとのご本尊や位牌は、僧侶に引き取っていただく方法と、業者に仏壇とまとめて任せる方法があります。過去帳はご先祖の記録そのものなので、焚き上げずに家族の記録として手元に残す選択肢もあります。
順番は「先に閉眼供養、そのあとにお焚き上げ」

仏壇を手放すときの基本の順番は、先に閉眼供養、そのあとにお焚き上げや引き取りです。魂が入ったままの仏壇を焼いたり捨てたりするのは避けたい、と考える方が多いためです。
魂を抜いた仏壇は家具と同じように扱えるという考え方が一般的で、手放す側の気持ちにも区切りがつきます。宗派や寺院によって考え方は異なるので、進め方に迷ったら菩提寺に相談してみてください。
全体の流れは次のとおりです。
- 親族に伝える — 家族みんなでお祀りしてきたご先祖さまの仏壇だからこそ、日程や手放し方を事前に共有して丁寧に進めたいところです
- 閉眼供養を依頼する — 菩提寺、または僧侶手配サービスや業者経由でお願いします
- 仏壇の中身を確認する — 引き出しの奥に通帳や貴重品が眠っていることがあります。業者に引き取ってもらう場合は、当日に業者と一緒に最終確認します
- お焚き上げ・引き取りなどで手放す
ひとつ注意点があります。閉眼供養を執り行うのは寺院・僧侶です。仏壇店や業者は僧侶を手配してくれますが、儀式そのものは行いません。「業者に頼んだから供養も済んでいるはず」と思い込まず、供養が含まれているか、僧侶がどう関わるかを申し込み時に確認しましょう。
仏壇本体のお焚き上げは難しいのが現状です
実は、仏壇本体を焚き上げてもらえる場所は多くありません。「お焚き上げしてくれるお寺が見つからない」というご相談は、当店にもよく寄せられます。
理由は大きく2つあります。
1つ目は法律です。 廃棄物の野外焼却(いわゆる野焼き)は、廃棄物処理法で原則禁止されています。どんど焼きなどの宗教行事は例外と定められていますが、これは寺社が行事として行う場合の話です。個人が自宅の庭で仏壇を燃やすことはできません。
2つ目は環境への配慮です。 近年は煙やダイオキシンへの配慮から、境内でのお焚き上げを行わない寺社が増えています。受け付けている場合でも、お札・お守り・位牌などの小物に限られ、仏壇本体のような大きな品は対象外というケースが大半です。
また、菩提寺に閉眼供養をお願いできても、仏壇本体の引き取りまで対応してもらえることは極めて稀です。「供養は菩提寺、本体の処分は別途手配」が基本形と考えてください。
そのため現在は、閉眼供養を済ませたうえで、仏壇店や専門業者に引き取ってもらう流れが主流になっています。業者によっては合同供養を行ってから、提携先で焼却・処分します。「焚き上げる」という形にこだわらなくても、供養で区切りをつけて感謝とともに手放すことはできます。
依頼先別の費用目安と選び方

依頼先ごとの費用目安を一覧にまとめました。仏壇本体まで手放すのか、小物だけなのかで選ぶ先が変わります。
| 依頼先・方法 | 費用の目安 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 菩提寺で閉眼供養(処分は別途) | お布施1万〜5万円程度(自社調べ) | 供養は菩提寺へ。仏壇本体の処分は別に手配する |
| 僧侶手配サービスで閉眼供養 | 3万〜5万円程度(自社調べ) | 菩提寺がない場合の選択肢。お布施込みの定額制が多い |
| 寺社への小物のお焚き上げ | 数千円〜1万円程度(自社調べ) | お札・位牌など燃やせる小物向け。仏壇本体は対象外の寺社が多い |
| 郵送のお焚き上げ・供養サービス | 1箱あたり5,000円〜1万円程度(自社調べ) | 位牌・仏具など小物向け。箱の大きさに制限がある |
| 仏壇店・専門業者の供養+引き取り | 小型1万〜2万円程度・大型は数万円程度(自社調べ) | 合同供養と本体の引き取りをまとめて任せられる |
| 自治体の粗大ごみ | 数百円〜2,000円程度(自治体により異なる) | 供養は付かない。気になる場合は先に閉眼供養を |
| 結壇の処分サービス | 8,800円〜(税込・サイズ別)+仏壇供養22,000円 | 全国一律料金・お布施不要。仏壇の一部を写真立てにして返却 |
業者を比較するときは、料金だけでなく次の3点を確認してください。
- 供養(僧侶手配)の可否 — 供養込みなのか、手配だけなのか、そもそも供養がないのか
- 仏壇本体まで引き取れるか — 小物専門のサービスも多い
- 追加料金の条件 — 搬出費・階段料金などが明示されているか
結壇の仏壇処分サービス
結壇では、仏壇の引き取り処分を全国一律・サイズ別の料金で承っています(税込。3辺合計150cmまで8,800円、最大400cmまで79,800円)。供養をご希望の場合は仏壇供養22,000円・仏具供養1箱5,000円で、提携寺院(静岡県藤枝市・清養寺)の住職が全宗派に対応して執り行います。
料金には引き取り・運送・搬出作業・供養代が含まれ、お布施や追加料金はかかりません(吊り下げなどの特殊作業のみ別途)。小さな仏壇であれば、郵送での処分(120サイズまで一律4,800円・送料はお客さま負担)にも対応しています。対応エリアは全国(一部地域を除く)です。
処分の場合でも、仏壇の一部を写真立てにリメイクしてお返しし、供養完了の証である「祈りの証」プレートをお届けします(供養後約1〜2ヶ月で郵送)。「焚き上げて終わり」ではなく、手を合わせてきた仏壇の面影が手元に残る形です。詳しくはサービス紹介ページとご利用料金をご覧ください。
すべて焚き上げる前に。仏壇の一部を手のひらサイズに残す選択肢

お焚き上げは、感謝を込めてすべてを火で手放す方法です。ただ、手放したあとに手を合わせる場所が残らないことに、さみしさを感じる方も少なくありません。
「捨てたくない」という気持ちには、実は2種類あります。元の仏壇というモノをそのまま残したいのか、手を合わせる対象が残れば十分なのか。後者であれば、仏壇の一部を活かして小さく作り直す「リメイク」という方法があります。手がける業者がまだ少ないため、ご存じない方がほとんどです。
結壇では、閉眼供養を済ませたうえで、扉や彫刻など思い入れのある部分を活かして手のひらサイズの仏壇に作り直します。どの部分を残すかは、「この彫りを残したい」といったご要望を伺いながら、職人と一緒に決めていきます。1つの仏壇から複数個お作りして、兄弟・親族で分け合うこともできます。
費用は、一般的なリメイク相場が30万〜100万円程度(自社調べ)のところ、結壇では118,000円〜(税込・引き取り費別途・供養込み)です。納期は一般的に3ヶ月〜半年程度かかりますが、結壇では約2〜3ヶ月でお届けしています。
「全部を焚き上げてしまう前に、ひと回り小さくして残せないか」と考えている方は、サービス紹介ページをご覧ください。実際にご利用いただいた方の感想はお客様の声で紹介しています。
こんな人におすすめ・おすすめしない人
自分に合った手放し方を選ぶための目安です。
寺社でのお焚き上げがおすすめの人
- 菩提寺や近所の神社と付き合いがあり、お札・お守り・位牌など小物だけを手放したい人
- 儀式の場に立ち会って、自分の目で見送りたい人
供養付きの引き取り(結壇など)がおすすめの人
- 仏壇本体ごと手放したい人
- 菩提寺がなく、お布施の額に悩みたくない人
- 遠方の実家の仏壇を片づける必要がある人
おすすめしない人
- とにかく費用を抑えたい人には、寺社や業者への依頼は割高です。自治体の粗大ごみ(数百円〜2,000円程度・自治体により異なる)が最も安く済みます。供養がないことが気になるなら、先に閉眼供養だけ済ませる方法もあります
- 仏壇そのものや手を合わせる場所を残したい人に、お焚き上げ・処分は向きません。前の項目で紹介したリメイクを検討してみてください
よくある質問
Q1. お焚き上げをせずに粗大ごみで処分したら、失礼にあたりますか?
A. 手放し方そのものに宗教上の決まりはなく、閉眼供養で区切りをつけたうえで粗大ごみを選ぶ方もいます。大切なのは形式よりも、ご先祖さまへの感謝の気持ちという考え方が一般的です。迷いが残る場合は、菩提寺に相談してから決めると後悔がありません。
Q2. 位牌だけをお焚き上げしてもらうことはできますか?
A. できます。寺社に直接持ち込む方法(数千円〜1万円程度・自社調べ)のほか、郵送のお焚き上げサービス(1箱あたり5,000円〜1万円程度・自社調べ)もあります。位牌は魂が宿るとされる品なので、事前に閉眼供養を済ませてから依頼するのが通例です。
Q3. お焚き上げに立ち会うことはできますか?
A. 依頼先によります。どんど焼きのような行事ではその場で見送れますが、預かった品を後日まとめて焚き上げる寺社や、郵送サービスでは立ち会えないのが普通です。自分の目で見送りたい方は、申し込み時に立ち会いの可否を確認してください。
Q4. 自宅の庭で仏壇を燃やしてもいいですか?
A. できません。廃棄物の野外焼却(野焼き)は廃棄物処理法で原則禁止されており、宗教行事の例外は寺社が行事として行う場合に限られます。個人での焼却は罰則の対象になるため、必ず寺社・業者・自治体のいずれかを通して手放してください。
Q5. 遺影や過去帳もお焚き上げの対象になりますか?
A. どちらも対象になります。ただし遺影は額縁のガラスや金属部分を外すよう求められるのが一般的です。過去帳はご先祖の名前と歴史が記された記録なので、あえて焚き上げずに、家系の記録として子や孫の代へ引き継ぐ選択もあります。
お焚き上げと供養の違いが整理できると、「何をどの順番でやればいいか」が見えてきます。先に閉眼供養で区切りをつけ、そのあとの手放し方は、お焚き上げ・引き取り・一部を残すリメイクの中からご家族に合うものを選んでください。
当店では、供養から引き取り、そして「一部を残す」形まで、ひとつの窓口でお手伝いしています。手放し方に迷ったら、サービス紹介ページからお気軽にご相談ください。できる限りの対応方法を一緒に考えます。