
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
施設への入居が決まったときの仏壇の悩みは、「施設の部屋に持ち込めるか」と「実家に残る仏壇をどうするか」の2つに分けて考えると迷いません。持ち込みの可否は施設ごとのルール次第ですが、たとえ大きな仏壇をそのまま持ち込めなくても、元の仏壇の一部を活かして手のひらサイズに作り直し、お部屋に置くという方法があります。
【早わかり】施設入居と仏壇の要点
- 仏壇を持ち込めるかどうかは施設・居室タイプごとの規則で異なる。ろうそく・線香などの火気は使えないことが多く、電気式の仏具で代える
- 持ち込まない場合の行き先は「家族の家」「実家に残す」「一時預かり」「買い替え」「供養したうえで処分」「小さく作り直す」の6つ
- 閉眼供養(魂抜き)のお布施の目安は1万〜5万円程度(自社調べ)
- 結壇では元の仏壇の一部を活かした手のひらサイズへの作り直しが118,000円〜(税込・供養込み)、納期は約2〜3ヶ月
- 作り直しを選ぶ場合は納期から逆算し、入居日が決まったらすぐに相談を始める
この記事でわかること
- 老人ホーム・介護施設に仏壇を持ち込めるかどうかの確認ポイント
- 持ち込まない場合の選択肢と費用の比較
- 入居日から逆算した進め方
- 仏壇を動かす前の供養と家族での相談の仕方
- 実家の仏壇を小さくして施設に持って行く方法
この記事は、親御さんの老人ホーム・介護施設への入居が決まり、実家の仏壇の扱いを任された方を主に想定して書いています。ご自身の住み替えで仏壇の行き先に悩んでいる方にも役立つ内容です。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
施設入居の仏壇問題は「持ち込み」と「実家側」の2つに分けて考える

施設入居にともなう仏壇の悩みは、次の2つに分けると全体が整理できます。1つ目は「施設の部屋に仏壇を持って行くかどうか」、2つ目は「持って行かない場合、実家に残る仏壇をどうするか」です。
1つ目は、お部屋の広さと施設の規則で決まります。2つ目は、実家をこれからも維持するのか、空き家になるのか、売却・解体するのかによって答えが変わります。
入居日という期限があるぶん、この2つは並行して進める必要があります。まずは施設側のルールから確かめていきましょう。
老人ホーム・介護施設に仏壇は持ち込める?

結論から言うと、持ち込めるかどうかは施設の種類・居室のタイプ・施設ごとの規則によって異なります。入居前に施設へ直接確認するのが、いちばん確実で早い方法です。
個室か相部屋かで事情が変わる
個室の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、小型の仏壇であれば認められる例が多く見られます。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、安否確認や生活相談のサービスが付いた高齢者向けの賃貸住宅のことです。
一方、相部屋(多床室)では、スペースや同室の方への配慮から難しいケースが多くなります。ただし最終的には施設ごとの判断ですので、見学や契約の際に「仏壇を持ち込みたい」と伝え、置けるサイズとあわせて重要事項説明書や入居契約の内容を確かめてください。
ろうそく・線香などの火気は使えないと考えておく
多くの施設では、ろうそくや線香といった火気の使用が規則で禁止されています。高齢者施設では火災への備えがとくに重視されるためです。法律で一律に決まっているものではなく施設ごとの規則によるため、細かい扱いは入居先への確認が必要です。
お参りには、電気ろうそくや電気線香など、火を使わない仏具で代える方法があります。今の仏具にこだわらなければ、施設のお部屋でも毎日のお参りは続けられます。
位牌だけを持って行く方法もある
仏壇本体の持ち込みが難しくても、位牌だけなら多くの施設で認められています。小さく、火も使わないためです。
位牌と遺影だけをお部屋に持ち込み、仏壇本体の行き先は実家側でじっくり決める、という進め方もあります。入居までの時間が短い場合には、この順番が助けになります。
搬入とお参りの配慮
仏壇を運び込む際は、廊下やエレベーターの幅を含めた搬入経路を施設と事前に確かめておきましょう。壁や床を傷つけると補償の問題になりかねないためです。
また、読経やお勤めの声は、時間帯や声量への配慮が必要です。相部屋では特に気を配りたいところです。
施設に持ち込まない場合の選択肢と費用の目安

仏壇を施設に持ち込まない場合の行き先は、大きく6つあります。比較しやすいよう、施設に持ち込む場合も含めて「費用」と「元の仏壇が手元に残るかどうか」で1つの表に整理しました。
| 選択肢 | 費用の目安 | 期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 施設の居室に持ち込む | 運送費のみ | 入居時 | 小型であることと施設の許可が前提。火気は電気式で代える |
| 家族・親族の家へ移す | 運送費のみ | 数日 | 引き受け先の合意が必要 |
| 実家にそのまま置く | 0円 | ― | 実家を維持する場合のみ。空き家では傷みやすい |
| 一時預かり・保管サービス | 月数千円程度+往復の運送費(自社調べ) | 契約次第 | 決めきれない間の中間策。長期化すると総額がかさむ |
| 新しい小型仏壇に買い替え | 購入3万〜20万円程度(自社調べ)と元の仏壇の供養・処分費 | 数週間程度 | 新品を買う方法。元の仏壇は残らない |
| 供養したうえで処分 | お布施1万〜5万円程度(自社調べ)と処分費(結壇は全国一律8,800円〜) | 数日〜数週間 | 実家の売却・解体が決まっている場合の現実的な方法 |
| 手のひらサイズに作り直す(結壇) | 118,000円〜(税込・供養込み)、引き取り費別途 | 約2〜3ヶ月 | 元の仏壇の一部を活かして小型化。施設の居室にも置きやすい |
家族・親族の家へ移すのは、費用がいちばんかからない方法です。ただし引き受けた家がその後のお世話を続けることになります。家族みんなのご先祖さまだからこそ、押し付け合いではなく、全員が納得できる形で決めたいところです。
実家を当面維持するなら、そのまま置いておく選択もあります。行き先を決めかねている間は一時預かりサービスが中間策になりますが、預ける期間が長引くほど総額がかさむ点には注意してください。
新しい小型仏壇への買い替えは、購入費3万〜20万円程度(自社調べ)とは別に、元の仏壇の供養・処分費がかかります。手を合わせる場所は新しくなりますが、長年守ってきた仏壇そのものは残りません。
実家の売却や解体が決まっていて、手放すことがはっきりしている場合は、供養したうえで処分するのが現実的です。結壇でも仏壇の処分を承っており、料金は全国一律のサイズ別で8,800円(税込・3辺合計150cmまで)から、仏壇の供養は22,000円で頼めます。提携寺院が全宗派に対応して供養し、仏壇の一部を写真立てに作り直してお返ししているので、処分を選んでも手を合わせるよりどころが手元に残ります。お布施は不要で、吊り下げなどの特殊作業を除き追加料金はかかりません。詳しくはサービス紹介ページをご覧ください。
入居日から逆算した進め方
入居日の2〜3ヶ月前から動き始めると、施設への確認から供養、搬出まで慌てずに進められます。とくに作り直し(リメイク)を検討する場合は納期が約2〜3ヶ月かかるため、入居が決まった時点で相談を始めるのが目安です。
- 入居が決まったらすぐ(2〜3ヶ月前): 施設に持ち込みの可否・置けるサイズ・火気の規則を確認する。あわせて家族で方針を話し合い、作り直しや処分を頼む場合は見積もりを取る
- 1〜2ヶ月前: 閉眼供養を手配する。菩提寺がある場合は菩提寺へ、ない場合は僧侶手配サービスや仏壇店に相談する
- 2週間〜1ヶ月前: 引き取り・搬出日を確定し、仏壇の中身を整理する。ご本尊や位牌の扱いは供養の際に僧侶へ相談し、過去帳は家族の記録として手元に残す方法もある
- 搬出当日: 引き出しの奥に通帳や印鑑などの貴重品が残っていないか、業者と一緒に最終確認する
引き取りを頼む場合は、仏壇の寸法を正確に伝え、仏間から玄関、車を停める場所までの経路写真を共有しておくと当日の作業がスムーズです。
仏壇を動かす前の供養と家族での相談

仏壇を動かす前や手放す前には、閉眼供養(へいがんくよう)を行うという考え方が一般的です。閉眼供養とは、仏壇から魂を抜く儀式のことで、「魂抜き」とも呼ばれます。
長年手を合わせてきた仏壇に区切りをつけ、後から悔いを残さないための大切な節目です。お布施の目安は1万〜5万円程度(自社調べ)です。ただし宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の宗派の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
菩提寺がない場合は、僧侶手配サービス(お布施込みの定額で3万〜5万円程度・自社調べ)を使う方法もあります。結壇では、作り直し・処分のどちらの場合も提携寺院での供養を含めて対応しています。
あわせて、仏壇の行き先は入居するご本人と兄弟・親族に早めに相談してください。後で行き違いを生まないためだけでなく、みんなで手を合わせてきたご先祖さまのことだからこそ、丁寧に決めたいからです。とくに入居するご本人にとって、仏壇は毎日手を合わせてきた存在です。手続きを急ぐあまり、その気持ちを置き去りにしないことが何より大切だと感じています。
実家の仏壇を小さくして施設に持って行くという選択肢

大きな仏壇は「処分する」か「そのまま運ぶ」かの二択ではありません。あまり知られていませんが、元の仏壇の扉や彫刻といった一部を活かして手のひらサイズに作り直し、施設のお部屋に持って行くという、もう一つの道があります。
仏壇のリメイクを手がける業者はまだ少なく、料金はオーダーメイド型で30万〜100万円程度(自社調べ)、納期は3ヶ月〜半年程度が一般的な目安です。また、作り直しの前に魂抜きを行うかどうかも業者によって異なるため、頼む前に確かめたいポイントです。結壇では料金をパッケージにしており、元の仏壇の一部を使う部分リノベーションが118,000円(税込)から、納期は約2〜3ヶ月です。魂抜きの費用は料金に含まれ、引き取り費(地域別18,000円〜51,000円)が別途かかります。
当店では、お引き取りした仏壇を提携寺院で供養したうえで、「この彫りを残したい」といったご要望を職人がお聞きしながら作り直しています。仕上がりは手のひらサイズなので、施設の個室にも無理なく置けます。電気式の仏具と組み合わせれば、火気が使えないお部屋でも毎日のお参りを続けられます。
1つの仏壇から複数個お作りすることもでき、2つ目以降は30,000円OFFになります。実家じまいの機会に、兄弟それぞれの家へご先祖さまへの想いを分ける形見分けとして選ばれています。
対応の基準は仏壇の3辺合計400cm以内ですが、超える場合もできる限り対応方法を一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。実際に、介護施設への入居やサービス付き高齢者向け住宅への住み替えをきっかけに、大きな仏壇をコンパクトに作り直された方の声をお客様の声でご紹介しています。
サービスの流れはサービス紹介ページ、コースごとの料金はご利用料金ページにまとめています。作り直しには約2〜3ヶ月かかりますので、入居日が決まったらすぐのご相談がおすすめです。
こんな人におすすめ・おすすめしない人
手のひらサイズへの作り直しがおすすめの人
- 施設のお部屋でも毎日手を合わせる時間を続けたい方
- 実家の仏壇をただ捨てることに気持ちの整理がつかない方
- 兄弟・親族それぞれの家にもご先祖さまへの想いを分けたい方
- 入居日まで時間の余裕をもって準備を進められる方(納期は約2〜3ヶ月)
おすすめしない人
- とにかく費用を抑えたい方(自治体の粗大ごみなら数百円〜2,000円程度・自治体により異なる。ただし供養と運び出しは自分で手配します)
- 新品の仏壇に買い替えたい方(小型仏壇の購入は3万〜20万円程度・自社調べ)
- 手を合わせる対象をこれからは持たないと家族で決めている方(供養したうえでの処分が合っています)
施設入居と仏壇に関するよくある質問
Q1. 施設に持ち込んだ仏壇や位牌には、魂入れが必要ですか?
新しい場所に移したあとに開眼供養(かいげんくよう=魂を入れる儀式)を行うという考え方が一般的です。新しいお参りの場所で気持ちよく手を合わせ始めるための節目とされています。お布施の目安は1万〜5万円程度(自社調べ)です。ただし要否や呼び方は宗派・寺院によって異なるため、菩提寺がある場合は移動の前に相談しておくと段取りがつけやすくなります。
Q2. 電気ろうそくや電気線香なら必ず使えますか?
施設によって規則が異なるため、電気式であっても事前の確認をおすすめします。光や音が同室の方に影響する場合もあるので、持ち込みたい仏具は入居前にリストにして施設へ見せておくと、入居後の行き違いを防げます。
Q3. 親が「仏壇を手放したくない」と言うときは、どう話せばよいですか?
まず「何を残したいのか」を一緒に整理してみてください。仏壇というモノ自体を残したいのか、手を合わせる場所があれば十分なのかで、選べる方法が変わります。元の仏壇の一部を活かして小さくする方法なら「捨てる」のではなく「一緒に連れて行く」と伝えられるので、ご本人も気持ちの整理をつけやすくなります。
Q4. 実家が空き家になっても、仏壇をしばらく置いたままで大丈夫ですか?
短期間なら問題ありませんが、長期の放置はおすすめしません。仏壇は木でできているため、閉め切った空き家では湿気やカビで傷みが進みやすいからです。行き先を決めかねている間は、一時預かりサービス(月数千円程度+往復の運送費・自社調べ)を使う方法もあります。
Q5. 結壇に頼んだ場合、作り直した仏壇を施設の部屋に届けてもらえますか?
お届け先のご希望は、見積もりのご相談の際にお聞かせください。結壇では引き取りから供養、製作、梱包しての納品まで一括で対応しており、お届けの方法もあわせてご案内します。電話・LINEで相談できますので、入居準備の合間でも気軽に問い合わせていただけます。