
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
相続した実家などの空き家は、仏壇が残ったままでも査定を受けて売却活動を始められますが、その仏壇は引き渡しまでに売主の側で片付けておくのが原則です。そして片付け方は処分だけではなく、仏壇の一部を活かして手のひらサイズに作り直し、今の住まいへ連れて帰る方法もあります。
【早わかり】空き家売却と仏壇の要点
- 査定は仏壇が残ったままで受けられる。ただし引き渡しまでに売主が片付けるのが原則(売買契約で残置物の撤去を取り決めるのが通例)
- 片付けは売買契約後、遅くとも引き渡しの1ヶ月程度前までに済ませるのが一般的な目安。供養や引き取りの予約に時間がかかるため早めに動く
- 閉眼供養(魂抜き)のお布施は1万〜5万円程度(自社調べ)。菩提寺がない場合は僧侶手配サービスで3万〜5万円程度(自社調べ)
- 処分費用は数百円から数万円まで方法によって幅がある。結壇の仏壇処分サービスは全国一律のサイズ別料金8,800円〜(税込)で、当日は立ち会いのみ
- 捨てずに、仏壇の一部を手のひらサイズに作り直して持ち帰る方法もある(結壇では118,000円〜・供養込み・全国引き取り対応)
この記事でわかることは次のとおりです。
- 仏壇が残ったままの空き家が売れるのか、契約上どう扱われるのか
- 査定・内覧・売買契約・引き渡しの各段階で、仏壇をどうしておけばよいか
- 処分する場合の手順(供養と引き取り)と費用の目安
- 片付ける前に家族と話しておきたいことと、仏壇の中身の確認
- 実家の仏壇を捨てずに残す方法
相続した実家の売却を決めた方、査定を申し込む前に仏壇の扱いを確かめておきたい方、遠方の空き家に仏壇が残ったままで気になっている方に向けて書いています。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
仏壇が残ったままでも空き家は売却できる?

結論から言うと、仏壇が残ったままでも査定は受けられ、売却活動も始められます。ただし仲介(不動産会社に買い手を探してもらう売り方)では、引き渡しまでに家財を売主の側で片付けておくのが原則です。
総務省の住宅・土地統計調査(令和5年)によると、全国の空き家は約900万戸と過去最多になりました。相続した実家に仏壇が残ったまま、という状況は決して珍しいものではありません。同じ悩みで当店に相談される方も増えています。
残置物は引き渡しまでに売主が片付けるのが原則
残置物(ざんちぶつ)とは、家具や家電など、住んでいた人が家に残していった物のことです。仏壇屋としては少し寂しい響きですが、契約の実務では仏壇も残置物のひとつとして扱われます。
売買契約では、引き渡しまでに売主の負担で残置物を撤去することを取り決めるのが通例です。買い手にとって前の持ち主の家財が残った家は買いにくく、とりわけ仏壇は「どう扱えばいいのか分からない」と迷いのもとになりやすいためです。なお、建物を解体して更地で売る場合も、解体工事が始まる前に仏壇を運び出しておく必要があります。
査定から引き渡しまで――段階ごとの仏壇の扱い
| 売却の段階 | 仏壇はどうしておくか |
|---|---|
| 査定 | そのままで問題ない。慌てて片付けてから依頼する必要はない |
| 内覧 | 残っていても内覧はできるが、片付いているほうが買い手の印象は良い |
| 売買契約 | 引き渡し日と残置物の扱いが契約で決まる。ここからは期限のあるタスクになる |
| 引き渡し | 残置物のない状態で引き渡すのが原則。仏壇も片付け終えておく |
片付けのタイミングは、売買契約が済んでから引き渡しまでの間、遅くとも引き渡しの1ヶ月程度前が一般的な目安です。閉眼供養の日程は僧侶との調整が必要で、引き取り業者の予約も直前では取れないことがあります。査定の段階から「仏壇をどうするか」の方針だけは家族で決めておくと、契約後に慌てずに済みます。
空き家の仏壇、行き先は大きく3つ

空き家から出す仏壇の行き先は、「自宅へ移す」「供養して処分する」「小さく作り直して持ち帰る」の3つに大きく分かれます。費用と特徴をまとめました。
| 行き先 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自宅へそのまま移す | 運送費+お布施(魂を抜く供養・入れ直す供養 各1万〜5万円程度・自社調べ) | 元の仏壇をそのまま受け継げる。今の住まいに置き場所が必要 |
| 供養して処分する | お布施1万〜5万円程度(自社調べ)+本体の処分費(数百円〜数万円・方法による) | 費用を抑えやすい。手放したあとに手を合わせる対象は残らない |
| 小さく作り直して持ち帰る(結壇) | 118,000円〜(税込・供養込み)+地域別引き取り費18,000〜51,000円 | 納期は約2〜3ヶ月。実家の仏壇の一部が手のひらサイズで手元に残る |
自宅へ移す場合は、いったん魂を抜き、新しい安置場所で魂を入れ直すという丁寧な進め方が一般的です。お布施の目安はそれぞれ1万〜5万円程度(自社調べ)です。ただし移動の際の供養をどう考えるかは宗派・寺院によって異なるため、菩提寺がある場合は移す方針が決まった時点で相談しておくと、日程も組みやすくなります。
一方で、実家の仏壇は大型のものが多く、「今の住まいにそのまま入らない」「置けても圧迫感が強い」という相談を当店でもよくいただきます。その場合の選択肢が、処分するか、小さく作り直して持ち帰るかです。処分の手順と費用は次の章で、作り直して残す方法は記事の後半で詳しくご説明します。
処分すると決めたら――閉眼供養と引き取りの手順・費用

処分する場合は、先に閉眼供養を済ませ、そのあとで本体を引き取ってもらう流れが基本です。順番と依頼先を押さえておけば、遠方の空き家でも段取りよく進められます。
まず閉眼供養(魂抜き)を済ませる
閉眼供養(へいがんくよう)とは、仏壇から魂を抜くために行う儀式のことで、「魂抜き」とも呼ばれます。処分の前に済ませてから手放す、という考え方が一般的です。長年家族が手を合わせてきた場所に感謝を伝え、気持ちに区切りをつけるためです。
執り行うのは寺院や僧侶です。仏壇店や処分業者は僧侶の手配までを担い、儀式そのものは行いません。菩提寺がある場合は、まず菩提寺に連絡し、供養をお願いしたうえで本体の処分を別途手配するのが基本の形です。寺院が仏壇本体まで引き取ってくれるケースは極めて稀です。お布施の目安は1万〜5万円程度(自社調べ)で、空き家まで出向いてもらう場合は御車代・御膳料として数千円〜1万円程度(自社調べ)を包むことがあります。
菩提寺がない場合は、僧侶手配(お坊さん派遣)サービスという方法があります。3万〜5万円程度(自社調べ)で、お布施・御車代込みの定額制が多くなっています。
なお、宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の宗派の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
本体の処分方法と費用の目安
| 方法 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自治体の粗大ごみ | 数百円〜2,000円程度(自治体により異なる) | 最も安いが、解体・搬出は自分で行う。遠方の空き家では負担が大きい |
| 不用品回収業者 | 1万〜4万円程度(自社調べ) | 空き家全体の片付けと同時に頼める。供養なしが基本のため、僧侶手配の可否を確認する |
| 仏壇店・専門業者 | 小型で1万〜2万円程度・大型は数万円程度(自社調べ) | 仏壇の扱いに慣れている。供養(僧侶手配)の可否は店により異なる |
| 結壇の仏壇処分サービス | 全国一律8,800〜79,800円(税込・3辺合計のサイズ別) | 引き取り・運搬・搬出込み。供養オプション22,000円(お布施不要)。仏壇の一部を写真立てにして返却 |
結壇では、空き家からの仏壇の引き取り処分を全国一律のサイズ別料金で行っています。全国対応(一部地域を除く)で、搬出は提携の配送業者が担当するため、当日は立ち会いだけで作業が終わります。追加料金はありません(吊り下げなどの特殊作業のみ別途)。供養をご希望の場合は、仏壇供養22,000円・仏具供養1箱5,000円をオプションで追加でき、提携寺院が全宗派に対応して執り行うため、お布施は不要です。
処分をお選びいただいた場合でも、結壇では仏壇の一部を写真立てにリメイクしてお返しし、供養完了の証として「祈りの証」プレートをお届けしています。「実家も仏壇も全部なくなってしまった」という寂しさを残さないための、当店なりの工夫です。詳しくはサービス紹介ページをご覧ください。
引き取り前の準備――遠方の空き家なら特に
空き家が遠方にあると、当日のやり直しがききません。引き取りを頼む前に、次の準備をしておくと1回の訪問で確実に終えられます。
- 仏壇の寸法(高さ・幅・奥行)を測って伝える
- 仏間から玄関、車を停められる場所までの搬出経路を写真で共有する
- 位牌・過去帳・遺影など、残す物をあらかじめ仏壇から出しておく
- 引き出しの貴重品は事前に確かめつつ、当日も業者と一緒に最終確認する前提で予定を組む
片付ける前に――家族への相談と仏壇の中身の確認

売却の段取りと同じくらい大切なのが、仏壇について家族と一言交わしておくことです。仏壇は法律上も、家とは別の扱いをされる財産だからです。
祭祀財産(さいしざいさん)とは、仏壇・位牌・お墓など、ご先祖さまをまつるために引き継がれる財産のことです。民法では通常の相続財産とは別に扱われ、祭祀を主宰する人が引き継ぐと定められています。つまり、家は相続人みんなで分ける財産でも、仏壇は「引き継ぐ人」を決めて受け継ぐものなのです。
だからこそ、売却を任された人の判断だけで急いで処分してしまうと、あとから「相談してほしかった」というすれ違いが起きがちです。仏壇は家族みんなのご先祖さまをまつってきた場所です。売却の方針を共有するついでで構いませんので、「仏壇はどうしようか」と兄弟や親戚に声をかけてから進めると、丁寧な区切りになります。
もうひとつ、中身の確認も忘れずに行ってください。仏壇の引き出しや裏側には、通帳・印鑑・現金・権利書などが残っていることが珍しくありません。ご家族だけで完全に確認しきるのは難しいため、引き取りの当日に業者と一緒に最終確認する流れにしておくと見落としを防げます。位牌・過去帳・遺影は本体と分けて行き先を決めます(品目別の扱いはよくある質問で触れます)。
捨てずに残す選択肢――実家の仏壇を手のひらサイズにして持ち帰る

空き家を売却すると、実家という「帰る場所」そのものがなくなります。仏壇まで処分してしまうと、実家で手を合わせてきた対象が何も残りません。ここでは、仏壇の一部を活かして小さく作り直し、今の住まいで手を合わせ続ける方法をご紹介します。
もし処分に少しでも迷いがあるなら、その気持ちの中身を確かめてみてください。元の仏壇というモノをそのまま残したいのか、手を合わせる対象が残れば十分なのか。前者なら自宅への移動が、後者なら小さく作り直す方法が合っています。
仏壇のリメイクを手がける業者は少なく、まだ広く知られた方法ではありません。一般的な相場は30万〜100万円程度、納期は3ヶ月〜半年程度が目安です(自社調べ)。
結壇では、引き取った仏壇の扉や彫刻など思い出の部分を活かして、手のひらサイズのミニ仏壇に作り直しています。どこを残すかは、「この彫りを残したい」「この木目が好きだった」といったご要望を職人が伺いながら決めていきます。料金は梅(部分リノベーション)118,000円〜(税込)で、魂抜きの費用を含みます。加工の前に提携寺院で供養を済ませるので、気持ちの区切りをつけたうえで新しい形に生まれ変わります。詳しい料金はご利用料金ページでご確認いただけます。
引き取りは全国に対応しており、地域別の引き取り費(静岡18,000円〜北海道51,000円)が別途かかります。遠方の空き家でも、売却前の引き取りから納品までまとめてお任せいただけます。製作期間は約2〜3ヶ月ですが、引き渡しまでに空き家からの引き取りが済んでいれば、家の売却はそのまま進められます。売却スケジュールが決まっている場合も、できる限り対応方法を一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。
兄弟がいる場合は、1つの仏壇から複数のミニ仏壇を作って分け合うこともできます(2つ目以降は30,000円OFF)。実家がなくなっても、それぞれの家に実家の仏壇の一部が残る形です。位牌の作り直し(19,800円)や過去帳の作成(5,980円〜)もオプションで承っています。お預かりできる仏壇は3辺合計400cm以内が目安ですが、超える場合も対応方法を考えますので遠慮なくお声がけください。仕上がりの様子はお客様の声で紹介しています。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
実家の仏壇を手のひらサイズに作り直す方法が、ご自身に合うかどうかの目安です。
こんな人におすすめ
- 空き家の売却で仏壇を出さなければならないが、そのまま捨てることに抵抗がある
- 今の住まいがマンションなどで、実家の大きな仏壇は置けない
- 空き家が遠方にあり、供養や引き取りの手配で何度も通えない
- 菩提寺がなく、供養までまとめて任せたい
- 兄弟それぞれが実家の仏壇の思い出を手元に置きたい
おすすめしない人
- 元の仏壇をそのままの姿で受け継ぎたい(自宅への移動が合っています。置き場所の確保と運送の手配を進めてください)
- 費用をできるだけ抑えて手放したい(自治体の粗大ごみが最も安く済みます。ただし供養は付かず、解体・搬出は自分で行います)
- 引き渡しが目前で、とにかく早く空にしたい(まず引き取りを優先してください。結壇の処分サービスでもご相談いただけます)
空き家の売却と仏壇に関するよくある質問
Q1. 仏壇を残したまま、買取業者に家ごと引き取ってもらうことはできますか?
買取(不動産会社が直接買い取る売り方)では、残置物ごと引き取る業者もあります。その場合も家財の処分費用分が価格から差し引かれるのが一般的で、仏壇をそのまま含めてよいかは業者によって異なります。長年ご先祖さまをまつってきたものですから、供養だけはご家族の手で済ませてから引き渡すと、後から悔いが残りにくくなります。
Q2. 位牌・過去帳・遺影はどうすればいいですか?
仏壇本体と分けて考えます。位牌は引き継ぐのが基本です。手放す場合は、供養(1点あたり数千円程度・自社調べ)を済ませてからにします。過去帳はご先祖さまの名前や命日の記録なので、家族の記録として手元に残す家も多くあります。遺影は残すものを選び、手放す分は郵送のお焚き上げサービス(1箱あたり5,000円〜1万円程度・自社調べ)に託す方法があります。結壇でも仏具・位牌の引き取り供養(1箱5,000円・送付)を承っています。
Q3. 空き家が遠方にあって何度も行けません。引き取りに立ち会いは必要ですか?
結壇では当日の立ち会いをお願いしていますが、搬出作業は提携の配送業者が行うため、お客さまが作業をする必要はありません。内覧や契約などで現地に行く日に引き取り日を合わせれば、仏壇のためだけに足を運ぶ回数を減らせます。事前に寸法と搬出経路の写真をお送りいただけると、当日の作業が滞りなく進みます。
Q4. 菩提寺がない・分からない場合、供養は誰に頼めばいいですか?
僧侶手配(お坊さん派遣)サービスを使うと、3万〜5万円程度(自社調べ)で空き家の所在地まで僧侶に来てもらえます。お布施・御車代込みの定額制が多いです。結壇にご依頼いただく場合は、ご自身で僧侶を手配する必要はありません。リメイクでは供養の費用が料金に含まれ、処分サービスでは供養をオプションで追加すると、提携寺院が全宗派に対応して執り行います。いずれもお布施は不要です。
Q5. 相続した空き家の売却で、税金の優遇はありますか?
要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例(いわゆる空き家特例)があります。建物の建築時期や売却の期限など要件が細かく定められているため、国税庁の案内を確認するか、税理士に相談してください。当店は税務の専門家ではないので、ここでは制度があることのご紹介にとどめます。
まとめ――仏壇の片付けは売却スケジュールから逆算して
空き家の売却では、仏壇は引き渡しまでに片付けておく必要があります。査定は残ったままで受けられるので、まず家族と方針を話し合い、売買契約が見えてきたら供養と引き取りの手配を進めてください。遅くとも引き渡しの1ヶ月程度前を目安に動くと、直前に慌てずに済みます。
そして、片付けることは捨てることだけではありません。実家の仏壇の一部を手のひらサイズに作り直して、今の住まいに連れて帰ることもできます。実家がなくなっても、手を合わせる場所は残せます。処分がいいのか、小さく残すのがいいのか、迷っている段階でのご相談も歓迎です。家族みんなのご先祖さまのことだからこそ、一緒に納得のいく形を考えられたらうれしいです。まずはサービス紹介ページからお気軽にお問い合わせください。