
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
「仏壇を分ける」といっても中身はいくつかに分かれますが、実家に1つある仏壇を兄弟それぞれが手を合わせる形にしたいなら、1つの仏壇から手のひらサイズのミニ仏壇を複数作り直して分ける方法があります。これは当店が得意にしている作り方で、多くの方がその選択肢の存在をご存じないまま「1人が継ぐしかない」と思い込んでおられます。
「分ける」という言葉には、実は目的の違う4つの相談が重なっています。この記事では、まずその意味を整理したうえで、それぞれの進め方と費用をお伝えします。
【早わかり】仏壇を分ける方法の要点
- 「仏壇を分ける」には主に4つの意味(兄弟でシェア・位牌分け・2つの仏壇の整理・相続)があり、どれに近いかで進め方が変わります
- 兄弟それぞれが手を合わせる場所を持ちたいなら、1つの仏壇から複数個のミニ仏壇に作り直して分ける方法があります(結壇ならではの作り方)
- 結壇のリメイクは118,000円〜(税込・供養込み・引き取り費は別途)・約2〜3ヶ月。一般的なリメイク相場は30万〜100万円程度(自社調べ)・3ヶ月〜半年が目安です
- 2つ以上の注文で、2つ目以降が30,000円OFFになります(兄弟・親族のシェア向け)
- 法律上、仏壇は「祭祀財産」で原則1人が受け継ぎます。だからこそ、ほかの兄弟が手を合わせられる形をどう用意するかが、実際のご相談で一番多い悩みです
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
この記事でわかること
- 「仏壇を分ける」の4つの意味(兄弟でシェア・位牌分け・2つの仏壇の整理・相続)の見分け方
- 1つの仏壇から複数のミニ仏壇に作り直して、兄弟それぞれの家に置く方法
- 位牌だけを分ける「位牌分け」の進め方と、宗派による違いの確認先
- 分け方ごとの費用・供養(魂抜き)の要否・期間の比較
- 法律上、仏壇は誰が受け継ぐのか(祭祀財産という考え方)
この記事を読んでほしい方
実家の代替わりや相続をきっかけに、「この仏壇を兄弟でどう受け継ごう」「1人に押し付けるのは違う気がする」と悩んでいる方に向けて書いています。離れて暮らすきょうだいがいる方、実家をたたむ予定の方にも参考になります。
「仏壇を分ける」には4つの意味があります

まず、ご自身の「分けたい」がどれに近いかを見分けてください。同じ言葉でも、目的によって最適な方法がまったく変わるからです。
当店に「仏壇を分けたいのですが」とご相談があるとき、話をうかがうと次の4つのどれかに落ち着きます。
- 兄弟それぞれが手を合わせる場所を持ちたい(実家の仏壇を1人が継ぐのではなく、みんなで持ちたい)
- 位牌だけを分けたい(仏壇本体はそのままに、故人の位牌を兄弟の家それぞれに)
- 仏壇が2つになったので整理したい(結婚や実家の片付けで2つになり、まとめるか分けるか迷っている)
- 相続で仏壇を分けられるのか知りたい(財産として、兄弟で分割できるのかという疑問)
このうち①が、いわゆる「兄弟でシェアする仏壇」を望む相談です。本記事はここを中心にお伝えしますが、②〜④もそれぞれ順番に説明します。ご自身の状況に近いところから読んでいただいて構いません。
なお、①〜③はどれも「家族みんなのご先祖さまを、これからどう大切にしていくか」という同じ気持ちが根っこにあります。トラブルを避けるためというより、みんなが納得して手を合わせられる形を探すつもりで進めると、話し合いも穏やかになります。
兄弟それぞれが手を合わせる場所を持つ方法

結論から言うと、1つの仏壇から手のひらサイズのミニ仏壇を複数作り直し、兄弟それぞれの家に置くことができます。実家の仏壇を1人が抱え込まず、離れて暮らすきょうだいもそれぞれの家で手を合わせられる形です。
一般的なリメイクの手法は、大きく2系統に分けられます。ひとつはダウンサイジング、大きな仏壇を小さく作り直す方法です。もうひとつは仏壇洗濯(せんたく)といって、元の仏壇の形を活かして洗浄や塗り直しできれいによみがえらせる方法で、金仏壇でよく行われます。
そして結壇には、この2つに加えてもう一つの選択肢があります。それが、1つの仏壇から複数個のミニ仏壇を作り、家族で形見分けするという作り方です。思い出のある彫刻や扉、木材といった部分を活かして、手のひらサイズのお仏壇を人数分お作りします。ここが、多くの仏壇店にはない当店ならではの強みです。
活かす部分は、彫刻・扉・木材などの装飾や構造の部分です。「この彫りだけは残したい」「引き出しの木目が好きだった」といったご要望を職人がうかがいながら、どこを使うかを一緒に決めていきます。お参りの中心となる御本尊は、あらためてご用意する形になります。
大事なのは、当店では作り直す前に魂抜き(閉眼供養)をしたうえで加工することです。魂抜き(閉眼供養)とは、仏壇や位牌から魂を抜くとされる儀式のことです。一般のリメイク業者では供養をしないまま加工することも多いのですが、当店は提携するお寺での供養を経てから手を入れます。仏壇というモノの形は変わっても、これまで手を合わせてきた気持ちをそのまま続けていただけます。
サイズについては、仏壇の3辺の合計が400cm以内であれば承れます。それを超える大きな仏壇でも、できる限り対応方法を一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。当店のサービス内容は結壇のサービスページにまとめています。
位牌だけを分ける「位牌分け」という方法

仏壇本体はそのままに、故人の位牌だけを兄弟で分けたい場合は、「位牌分け」という方法があります。位牌分けとは、故人の位牌を子どもの数だけ作り、それぞれの家で祀る慣習のことです(一部の地域で行われています)。
対象は既婚の子どもに限る、といった考え方をする地域もあり、決まりは一様ではありません。新しく作った位牌には魂を入れる(開眼)供養が必要になる場合があるため、菩提寺(先祖代々のお付き合いがあるお寺)に相談してから進めると、段取りに迷いません。
ここで一つ気をつけたい点があります。宗派によっては位牌そのものを用いない、あるいは位牌分けをしない場合もあります。ご自身の宗派での正しい進め方は、菩提寺に確認しておくと確実です。同じ仏教でも考え方に幅があるため、事前にひと言うかがっておくと後から悩まずに済みます。
分けた位牌は、大きな仏壇がなくても、位牌を安置できる小さなお仏壇で祀ることができます。「実家の仏壇は誰かが継ぐけれど、自分の家にも手を合わせる場所がほしい」という方には、この位牌分けとミニ仏壇の組み合わせが合っています。当店では位牌の作り直しを19,800円(税込)のオプションで承っています。
仏壇が2つになったときの整理のしかた

結婚や実家の片付けで仏壇が2つになった場合は、「2つのまま祀る」か「一つにまとめる」かのどちらかを選ぶことになります。一世帯に仏壇が2つあること自体に絶対の決まりはなく、基本的には問題ないとされています。
ただし、地域やお寺によっては望ましくないとする考え方もあります。特に、宗派の異なる2つを一つにまとめたい場合は、菩提寺に確認してから進めるとよいでしょう。ご先祖さまへの向き合い方を家族で一つにそろえておくと、この先の代でも迷いが少なくなるからです。
一つにまとめる場合の基本的な流れは、次のとおりです。片方の仏壇を魂抜きして手放し、その中の位牌をもう一方の仏壇に迎え入れます。位牌の数が多くて入りきらないときは、繰り出し位牌にまとめる方法もあります。繰り出し位牌とは、複数の位牌を1つの器にまとめてコンパクトにできる位牌のことです。
「2つとも大きくて置き場所に困る」という場合は、両方を小さく作り直して一つのミニ仏壇にまとめる、あるいはそれぞれを手のひらサイズにする、といった作り直しもご相談いただけます。手放す本体は魂抜きをしてからお預かりします。
相続では仏壇は「祭祀財産」— 分けられるのか

相続の話として「仏壇を兄弟で分けたい」という場合、まず知っておきたいのは、仏壇は「祭祀財産(さいしざいさん)」にあたるということです。祭祀財産とは、仏壇・位牌・お墓など、ご先祖さまの供養に関わるものを指す言葉です。
祭祀財産は、預貯金や不動産といった通常の遺産とは別の扱いになります。遺産分割協議の対象にはならず、相続税もかかりません。そして原則として、1人の承継者がまとめて受け継ぐとされています(民法897条)。誰が受け継ぐかは、故人の指定があればそれに従い、なければ地域の慣習によって決まる、という順序です。
つまり、仏壇そのものを物理的に切り分けて兄弟で分割する、という性質のものではありません。だからこそ、「受け継ぐのは1人でも、ほかの兄弟が手を合わせられる形をどう用意するか」が、実際のご相談で一番多い悩みになります。ここで冒頭の①、1つの仏壇から複数のミニ仏壇に分ける方法が生きてきます。仏壇そのものは1人が受け継ぐ形にしつつ、思い出の部材を活かした小さな仏壇を兄弟の分だけ作れば、みんながそれぞれの家で手を合わせられます。
なお、相続や承継者をめぐって具体的な取り決めが必要な場合は、法律の専門家に相談すると確実です。ここでは「仏壇は原則1人が受け継ぐ扱い」という前提だけ押さえておいてください。
分け方ごとの費用・供養・期間の比較
分け方によって、費用も供養(魂抜き)の要否も変わります。目的別に整理したのが次の表です。金額は税込で、一般相場は当店の自社調べです。
| 分け方の目的 | 具体的な方法 | 供養(魂抜き)の要否 | 費用・期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 兄弟で手を合わせる場所を分けたい(一般のリメイク) | 部材を活かして小型化する | 業者により対応差(供養しない店も多い) | 30万〜100万円程度(自社調べ)/期間3ヶ月〜半年 |
| 兄弟で手を合わせる場所を分けたい(結壇) | 1つの仏壇から複数個のミニ仏壇に作り直す | 作り直す前に魂抜きしてから加工(供養込み) | 118,000円〜+引き取り費/2つ目以降30,000円OFF・約2〜3ヶ月 |
| 位牌だけを分けたい(位牌分け) | 子の数だけ位牌を作り各家で祀る | 新しい位牌は魂入れが必要な場合あり | 位牌の作り直し=結壇オプション19,800円/一般相場は店により幅(自社調べ) |
| 2つの仏壇を一つにまとめたい | 片方を魂抜きして手放し位牌を迎え入れる | 手放す本体は魂抜きが必要 | 供養+本体の処分費(下記) |
| 誰も置けず丸ごと手放したい | 供養したうえで処分する | 本体は魂抜きが必要 | 自治体の粗大ごみ 数百円〜2,000円程度(自治体により異なる)/仏壇店での本体処分 小型1万〜2万円程度・大型は数万円程度(自社調べ) |
結壇の梅コース(部分リノベーション)は118,000円〜(税込)で、この中に魂抜きの供養費が含まれます。仏壇の引き取り費は別途で、地域によって18,000円〜51,000円(税込)です。兄弟でお作りになる場合は、2つ目以降が30,000円OFFになります。料金の詳しい内訳はご利用料金のページをご覧ください。
一般のリメイク業者はオーダーメイド中心で料金がわかりにくく、相場も30万〜100万円程度(自社調べ)と幅があります。当店はコースを決めているので費用が明確で、供養や引き取りまで含んだ形でお見積もりをお出しできます。実際にお作りになった方の声はお客様の声にまとめています。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
分け方に正解はなく、ご家族の状況によって向き不向きがあります。判断の参考にしてください。
1つの仏壇から複数個作って分ける方法がおすすめの人
- 離れて暮らす兄弟それぞれの家に、手を合わせる場所を持ちたい方
- 実家の大きな仏壇を1人に押し付けたくない、みんなで受け継ぎたい方
- 思い出のある彫刻や木材を活かしつつ、今の住まいに合うサイズにしたい方
- 供養(魂抜き)をきちんと済ませてから作り直したい方
この方法をおすすめしない人・別の方法が合う人
- 位牌だけを分けたい方(位牌分けとミニ仏壇の組み合わせが合います)
- 実家の仏壇はそのまま残し、中身の一部だけを移したい方
- 誰も引き継げず、供養したうえで手放すことを考えている方
- ご自身の宗派で位牌や仏壇の扱いに決まりがあるか、まず確認したい方(菩提寺への相談が先です)
手放すと決めた方へ
話し合いの結果、「兄弟の誰も置けず、丸ごと手放すことになった」という結論もあると思います。その場合も、ただ捨てるのではなく、供養(魂抜き)をしたうえで手放す方法があります。無理に残すことをおすすめするつもりはありません。
結壇では、仏壇を作り直すリメイクだけでなく、供養したうえで手放す処分のご相談も承っています。「まずは供養だけしたい」「本体は処分したいけれど気持ちの整理はつけたい」といったご相談も、サービスページからお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 兄弟が遠くに住んでいても、一緒に作れますか?
結壇は全国からご相談を承っています。仏壇の引き取り費は地域別で、18,000円〜51,000円(税込)です。作り上げたミニ仏壇を、兄弟それぞれの家へお届けする形もご相談いただけますので、離れて暮らしていても分けてお持ちいただけます。
Q. 1つの仏壇から、いくつまでミニ仏壇を作れますか?
活かせる部材の量や仏壇の大きさによって変わるため、まずはご相談ください。当店では2つ以上のご注文で、2つ目以降が30,000円OFFになります。何個くらい作れそうかは、仏壇の状態を見せていただくとお答えしやすくなります。
Q. 位牌分けは、どの宗派でもできますか?
一様ではありません。位牌そのものを用いない宗派や、位牌分けをしない地域もあります。まずはご自身の宗派で位牌分けを行うかどうかを、菩提寺にひと言うかがってみてください。行う場合は、新しく作る位牌に魂を入れる供養が必要になることがあります。
Q. 作り直しに使わなかった部分は、どうなりますか?
使わない部分も、魂抜きの供養を済ませたうえで当店が丁寧にお預かりします。ですから、一部を残してあとは処分する、というときも気持ちよく区切りをつけていただけます。「この部分は残したい」というご希望があれば、どこを活かすかも含めて一緒に決めましょう。
Q. 作り直しにはどのくらいの期間と費用がかかりますか?
結壇のリメイクは118,000円〜(税込・供養込み・引き取り費は別途)で、期間は約2〜3ヶ月です。一般的なリメイク相場は30万〜100万円程度(自社調べ)、期間は3ヶ月〜半年ほどが目安とされています。当店はコースを決めているぶん、費用の見通しを立てやすくしています。