
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
仏壇の処分は「供養を誰に頼み、本体の運び出しを誰に頼むか」を分けて考えると、依頼先はすぐに絞れます。供養から搬出までを1社にまとめたいなら仏壇処分の専門業者、菩提寺とのお付き合いがあるなら供養だけをお寺に、本体は別の先に頼むのが現実的な形です。
当店にも「そもそもどこに電話すればいいのか分からなくて」というご相談が毎週のように届きます。仏壇を手放すのは一生に一度あるかどうかですから、分からなくて当然です。この記事では、依頼先の全体像と決め方を、店頭でお話ししているのと同じ順番で整理します。
【早わかり】仏壇の処分をどこに頼むかの要点
- 依頼先は大きく6つ(菩提寺・仏壇店・仏壇処分の専門業者・不用品回収業者・遺品整理業者・自治体の粗大ごみ)
- 閉眼供養を執り行うのは寺院・僧侶だけ。仏壇店や業者がしてくれるのは僧侶の手配まで
- お寺が仏壇本体まで引き取る例は極めて稀。「供養はお寺、本体は別途手配」が基本形
- 費用の目安は、お布施1万〜5万円程度(自社調べ)、業者の引き取り1万〜4万円程度(自社調べ)、自治体の粗大ごみ数百円〜2,000円程度(自治体により異なる)
- 結壇の仏壇処分は全国一律のサイズ別料金で3辺合計150cmまで8,800円(税込)から。供養は22,000円(税込)のオプションでお布施は不要。小さく作り直すリメイクは118,000円(税込)から
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
この記事でわかること
- 仏壇の処分を頼める6つの先と、それぞれが供養と運び出しのどこまでを担うか
- 依頼先が3つの質問で決まる、選び方の手順
- 依頼先ごとの費用の目安と、追加でかかりやすい費用
- 悪質な業者を避けるために確認しておく点(公的なルールを含みます)
- 手放す以外に、仏壇を小さく作り直して残すという方法
想定読者は、処分することはおおむね決まっていて、あとは「誰に頼めばいいか」だけが分からないという方です。実家の仏壇を離れて暮らす家族が引き受ける場合や、聞ける親族がもう身近にいないという方にも読んでいただけるように書きました。
仏壇の処分を頼める先は6つある

依頼先は6つに整理できます。違いを分けているのは料金よりも、供養を誰が行い、本体の運び出しを誰が行うかという役割分担です。
| 依頼先 | 供養(閉眼供養) | 本体の運び出し・処分 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 菩提寺(お付き合いのあるお寺) | 僧侶が執り行う | 本体の引き取りは極めて稀で、別途手配が必要 | お布施 1万〜5万円程度(自社調べ) |
| 仏壇店・仏具店 | 店は行わず、僧侶の手配を頼める場合が多い | 引き取りに対応する店が多い | 店ごとに設定が異なるため要確認 |
| 仏壇処分の専門業者 | 僧侶の手配や提携寺院での供養を含むプランが多い | 搬出まで一括で任せられる | 1万〜4万円程度(自社調べ・サイズによる) |
| 不用品回収業者 | 対応は業者により差が大きい | 他の不用品とまとめて回収 | 1万〜4万円程度(自社調べ) |
| 遺品整理業者 | 僧侶を手配できる会社もある | 家財一式として運び出す | 部屋の広さ単位の見積もり |
| 自治体の粗大ごみ | 供養は含まれない | 自分で家の外まで運び出す | 数百円〜2,000円程度(自治体により異なる) |
表を見ていただくと分かるとおり、供養と運び出しの両方に丸がつく依頼先は限られています。「お寺に電話すれば全部お願いできる」と思って連絡し、断られて途方に暮れてしまう方は少なくありません。お寺は儀式を執り行う場所であって、大きな家具を運び出して処理する設備を持っているわけではないからです。
閉眼供養を執り行えるのは寺院・僧侶だけ
ここは依頼先を選ぶ前に押さえておきたい点です。閉眼供養を執り行うのは寺院・僧侶で、仏壇店や処分業者が儀式そのものを行うことはありません。業者が「供養込み」と案内している場合は、僧侶を手配するか、提携している寺院に仏壇を運んで読経していただく形になります。
なお、宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の宗派の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
依頼先は3つの質問で決まる
迷ったときは、次の3つに順番に答えてみてください。当店で電話口でお聞きしているのも、だいたいこの順番です。
1. お付き合いのある菩提寺がありますか
あるなら、まずお寺に一報を入れます。仏壇じまいの相談は失礼にはあたりません。むしろ何も告げずに進めるほうが、後でお互いに気まずくなります。日取りや供養の進め方を教えていただき、本体の運び出しは別で手配する形になります。
菩提寺がない、あるいは遠方で頼みにくい場合は、供養の手配ごと引き受けてくれる先を探すことになります。
2. 仏壇を家の外まで自分で運び出せますか
仏壇は見た目以上に重く、上置きの小型でも一人で階段を下ろすのは危険です。運び出せないなら、自治体の粗大ごみという選択肢は最初から外れます。逆に、軽い上置き型で車も出せるなら、費用を最小限に抑えられます。
3. 供養と処分を1社にまとめたいですか、分けても構いませんか
まとめたいなら仏壇処分の専門業者、分けても構わないなら菩提寺と仏壇店・回収業者の組み合わせになります。片付け全体を一度に終わらせたい場合は遺品整理業者が合います。
この3問で、6つの依頼先はたいてい1つか2つまで絞れます。
依頼先ごとの詳しい特徴

菩提寺(お付き合いのあるお寺)
供養をお願いする先として最も自然な相手です。ご先祖さまを長く見守ってくださった方に区切りをつけていただけるので、後から悔いが残りにくいという良さがあります。
お布施は1万〜5万円程度(自社調べ)が目安ですが、金額は寺院・地域によって幅があります。「いくら包めばよいか」に迷ったら、率直にお寺へ伺って構いません。お車代やお膳料が別に必要かどうかも、あわせて確認しておくと当日あわてずに済みます。
一方で、仏壇本体まで引き取っていただけるのは極めて稀です。檀家の方が高齢である、状態が非常に良いといった例外的な場合に限られるとお考えください。
仏壇店・仏具店
仏壇を購入したお店が分かっているなら、有力な候補です。仏壇の構造を知っている職人が扱うので、扉や装飾を傷めないよう配慮した運び出しが期待できます。僧侶の手配を頼める店も多くあります。
買い替えとあわせて引き取ってもらう場合は費用が抑えられることもありますが、処分だけを頼めるかどうか、料金をどう設定しているかは店によって差があります。まず電話で「処分だけでもお願いできますか」と聞くのが早道です。
仏壇処分の専門業者
供養の手配から搬出、その後の処理までを一括で任せられます。1回の連絡で完結するので、遠方の実家を片付ける方や、平日に何度も動けない方に向いています。
料金体系は業者によって異なり、サイズ別の定額制のところもあれば、現地見積もりのところもあります。供養が料金に含まれるのか、別料金なのかを必ず確認してください。ここが曖昧なままだと、当日になって想定外の請求につながります。
不用品回収業者
家全体の片付けと同時に進めたい場合に便利です。ただし、後述する許可の確認がもっとも重要になるのがこの依頼先です。供養の扱いも業者ごとに差が大きいので、仏壇だけは別の先に頼むという判断も十分あり得ます。
遺品整理業者
家財一式をまとめて整理するので、実家の片付けや空き家の処理と同時に進める方に合います。見積もりは部屋の広さや荷物量を基準にすることが多く、仏壇単体の金額としては見えにくくなります。仏壇と位牌の扱いだけは、見積もり時に個別に確認しておくと安心です。ご先祖さまに関わるものが、他の不用品と一緒に扱われることを避けるためです。
自治体の粗大ごみ
費用は数百円〜2,000円程度(自治体により異なる)で、もっとも安く抑えられます。仏壇を粗大ごみとして受け付けている自治体は多く、ルール上も認められた出し方です。ただし品目の扱いは自治体ごとに違うので、お住まいの市区町村の案内を確認してください。
また、申し込みから収集まで2週間ほどかかる自治体もあり、収集日には自分で家の外の指定場所まで運び出す必要があります。供養は一切含まれません。供養を済ませてから出す、という手順を自分で組む前提の方法だとお考えください。
依頼する前に確認しておきたいこと

依頼先が決まったら、連絡の前に次を整理しておくと話が早く進みます。
寸法を測っておく。高さ・幅・奥行きの3つと、その合計(3辺合計)を控えます。多くの業者はこのサイズで料金が決まります。
運び出す経路を写真に撮っておく。仏間から廊下、玄関、車を停める場所までを撮って共有すると、当日に「通らないので追加料金です」となる事態を防げます。下見に来てもらえるなら、来ていただくのが確実です。
貴重品は当日、業者と一緒に最終確認する。仏壇には引き出しのほか、裏板や天板の裏など家族では気づきにくい隙間があります。通帳や現金、権利書、へその緒が出てくることは珍しくありません。家族だけで完全に確認するのは難しいので、引き取りの当日に業者と一緒に見るのが最も確実です。
本尊・位牌・過去帳の行き先を決めておく。本尊は僧侶に引き取っていただくか、業者が仏壇と一緒に引き取るのが一般的です。位牌も僧侶に引き取っていただき位牌堂に安置する形と、業者に引き取ってもらう形があります。過去帳は家族の記録として手元に残す方も多く、これは自由に決めて構いません。
家族・親族に一声かけておく。手続き上は所有者だけで進められますが、家族みんなのご先祖さまをお預けする節目ですから、丁寧に共有しておきたいところです。事後に知った親族が寂しい思いをするのは、お互いにもったいないことだと思います。
悪質な業者を避けるために確認する点
依頼先選びで唯一、はっきりした公的な基準があるのがここです。
家庭から出る一般廃棄物を業として収集運搬するには、市区町村長の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。環境省は、許可を持たない回収業者に安易に依頼しないよう呼びかけています。「無料回収」と案内しながら高額を請求する事例や、集めた物品を不法投棄して業者が摘発された事例が実際に起きているためです。
確認するのは次の点です。
- 一般廃棄物収集運搬業の許可、または自治体の委託を受けているかどうか
- 見積もりが書面で出るか、追加料金が発生する条件が明記されているか
- 供養を含むのか含まないのか、含む場合は誰がどこで執り行うのか
- 会社の所在地と固定電話が公開されているか
- 引き取った仏壇をその後どう扱うのかを説明できるか
トラックで巡回しながら声をかけてくる回収や、料金の根拠を説明できない見積もりは避けてください。仏壇は最後まで行き先が分かる形でお預けするのが、気持ちの上でも安心につながります。
結壇に処分を頼む場合

ここからは当店の話です。業界一般の相場と混同しないよう、結壇の内容として書きます。
結壇の仏壇処分は、全国一律のサイズ別料金です。3辺合計150cmまで8,800円、200cmまで21,800円、250cmまで29,800円、300cmまで37,800円、350cmまで45,800円、400cmまで79,800円(すべて税込)と決まっています。料金には引き取り・運送・搬出作業が含まれ、追加料金はいただきません(吊り下げやクレーンを使う特殊な作業のみ別途となります)。小さな仏壇であれば、120サイズまでの郵送処分を一律4,800円(税込・送料はお客さま負担)でもお受けしています。
供養は22,000円(税込)のオプションです。静岡県藤枝市の提携寺院・清養寺で全宗派に対応して執り行い、お布施は別途いただきません。「いくら包めばいいのか」で悩まずに済む形にしています。搬出は提携している大手の配送会社が担当するので、当日は立ち会いだけで完了します。
そして結壇では、処分をご依頼いただいた場合も仏壇の一部を写真立てに作り直してお返しし、供養が済んだ証として「祈りの証」というプレートをお送りしています(供養後およそ1〜2ヶ月でのお届けです)。頼んだ先で仏壇が最後どう扱われたのか分からない、というもやもやを残さないための形です。対応は全国(一部地域を除く)で承っています。
料金の詳細はご利用料金のページ、実際にご依頼くださった方の声はお客様の声をご覧ください。
捨てずに残すという選択肢もあります

依頼先を探していらっしゃる方に、もう一つお伝えしたい方法があります。仏壇を手放すのではなく、一部を使って手のひらサイズに作り直すという道です。
仏壇のリメイクを手がける業者は少なく、職人の数も減っているため、この選択肢をご存じない方がほとんどです。手法としては、大きな仏壇を小さく作り直す「ダウンサイジング」と、元の形を活かして洗浄・塗り直しできれいにする「仏壇洗濯(せんたく)」の2系統が一般的で、仏壇洗濯は金仏壇で選ばれることが多い方法です。結壇ではこれに加えて、手のひらに乗るサイズまで小さくすることと、1つの仏壇から複数個を作って兄弟・親族で形見分けすることをお引き受けしています。
費用と納期は、一般的なリメイク業者では30万〜100万円程度(自社調べ)、納期は3ヶ月〜半年程度が目安です。結壇はパッケージ化していますので、118,000円(税込)から、納期は約2〜3ヶ月でお引き受けしています。仏壇の引き取り費用は地域別に別途いただきますが、魂抜きの費用は料金に含まれます。2つ以上のご注文では、2つ目以降が30,000円引きになります。
活かすのは彫刻や扉、木材といった装飾や構造の部分です。「この彫りだけは残したい」といったご要望を職人が伺いながら決めていきますので、思い入れのある箇所があればお聞かせください。仏壇の3辺合計400cm以内が目安ですが、大きなお仏壇でもできる限り方法を一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。
処分との一番の違いは、手を合わせる場所が手元に残ることです。処分を選ぶと、供養は済んでも日々手を合わせる対象はなくなります。どちらが良い悪いではなく、ご自身が「元の仏壇というモノを残したいのか」「手を合わせる先が残れば十分なのか」で選んでいただければと思います。詳しくは結壇のサービスページをご覧ください。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
仏壇処分の専門業者に頼むのがおすすめな人
- 供養と運び出しを1回の連絡でまとめて終わらせたい方
- 菩提寺がない、または遠方で頼みにくい方
- 仏壇が大きい、階段があるなど自分では運び出せない方
- お布施の金額に迷いたくない方
- 遠方の実家を片付けていて、何度も足を運べない方
専門業者をおすすめしない人
- 費用を最優先し、供養はご自身で別に手配できる方(自治体の粗大ごみのほうが安く抑えられます)
- 菩提寺と長くお付き合いがあり、供養から相談まで一貫してお寺に伺いたい方
- 家財一式をまとめて整理する予定の方(遺品整理業者なら一度にまとまります)
- 仏壇を手放すこと自体にまだ迷いがある方(先に小さく残す方法を検討する余地があります)
よくある質問
Q. 依頼の連絡はどこから先にすればよいですか
菩提寺がある場合はお寺が先です。供養の日取りが決まらないと引き取り日を決められないためです。菩提寺がない場合は、供養の手配ごと引き受けてくれる業者に先に相談し、そこで日程を組んでもらうほうが手戻りがありません。
Q. 仏壇を買った店が分からない場合はどうすればよいですか
購入店が分からなくても問題ありません。仏壇店は他店で購入された仏壇の引き取りにも対応していることが多く、専門業者であればそもそも購入店を問いません。保証書や領収書を探す必要はありませんので、寸法だけ測って相談してください。
Q. 見積もりを取るとその場で契約を迫られませんか
きちんとした業者であれば、見積もりを持ち帰って家族と相談する時間を待ってくれます。その場で即決を求める、断ると態度が変わるといった対応があれば、依頼を見送って構いません。複数社から見積もりを取ること自体は失礼にあたりません。
Q. 遠方に住んでいて実家に行けないのですが、依頼できますか
立ち会いだけ地元の親族にお願いする、あるいは鍵の受け渡しを含めて相談できる業者を選ぶという方法があります。結壇では搬出を提携の配送会社が担当し、当日は立ち会いのみで完了しますので、遠方にお住まいの方からのご依頼も承っています。
Q. 仏壇を処分したあと、手を合わせる先がなくなってしまうのが不安です
その不安は多くの方が口にされます。仏壇というモノを手放したあとも、写真立てや小さな仏壇を手元に置いて、供養やご先祖さまへの想いを続けていくことはできます。結壇では処分の場合も仏壇の一部を写真立てにしてお返ししていますので、何も残らないという形にはなりません。
迷ったら、まず状況を教えてください
「どこに頼むか」は、供養を誰に頼み、運び出しを誰に頼むかで決まります。菩提寺があるなら供養はお寺へ、無いなら供養の手配ごと引き受ける先へ。そして運び出せないなら、搬出まで含む先を選ぶ。この2つが決まれば、選択肢は自然に絞れます。
そのうえで、手放す以外の道もあることだけは知っておいていただきたいと思っています。仏壇の寸法と写真、いまの状況をお聞かせいただければ、処分と作り直しの両方の見積もりをお出しできます。どちらを選ばれても構いませんので、結壇のサービスページからお気軽にご相談ください。