
こんにちは。仏壇屋3代目のこうすけです!
仏壇は「そのまま残す」か「処分する」かの二択ではありません。ご自身が何を残したいのかを整理すると、供養したうえで一部を手のひらサイズに作り直して残すなど、二択の間にある方法が見えてきます。
【早わかり】仏壇を残すか処分するかの要点
- 残す方法は4つ:そのまま引き継ぐ/小さく作り直す(リメイク:一般相場30万〜100万円程度(自社調べ)・結壇なら118,000円〜)/小型仏壇に買い替える(購入3万〜20万円程度(自社調べ))/位牌だけ残す
- 手放す場合の費用の目安:自治体の粗大ごみ数百円〜2,000円程度(自治体により異なる)・不用品回収1万〜4万円程度・仏壇店2万〜8万円程度(いずれも自社調べ)
- 手放す場合も、移設や作り直しで残す場合も、気持ちの区切りをつけるため先に閉眼供養(お布施1万〜5万円程度・自社調べ)を行うのが一般的
- 判断の出発点は費用ではなく「何を残したいか」。モノか、手を合わせる対象か、思い出の一部かで選ぶ方法が変わる
この記事でわかること:
- 「残す」「処分する」を決める前に整理したい3つの問い
- 仏壇を残す4つの方法と、それぞれの費用・期間
- 手放すと決めた場合の正しい手順と費用相場
- 家族・親族と話し合うときの進め方
「実家じまいや引っ越しで大きな仏壇を維持できない。でも捨てるのは気が引ける」という方に向けた記事です。
稲垣 亘佑いながき こうすけ
創業60年の仏壇製造会社の3代目です。仏壇の一部分をそのまま活用し、手のひらサイズの仏壇に生まれ変わらせる結壇(ゆいだん)というサービスをやっています。大切な仏壇の想いと歴史を受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
迷ったら最初に考えること:あなたは「何を」残したいのか

残すか処分するかを決める近道は、方法の比較ではなく「自分は仏壇の何を残したいのか」をはっきりさせることです。ここが曖昧なまま業者や費用を調べ始めると、どの方法もしっくりこないまま迷い続けることになります。
当店でご相談を受けていると、「残したい」の中身はおおむね次の3つに分かれます。
| 残したいもの | 気持ちの中身 | 合う方法 |
|---|---|---|
| 仏壇というモノそのもの | 親や祖父母が毎日手を合わせていた、あの仏壇を失いたくない | そのまま引き継ぐ/小さく作り直す(リメイク) |
| 手を合わせる対象 | 仏壇本体へのこだわりより、これからも祈る場所がほしい | 小型仏壇への買い替え/位牌だけ残す |
| 思い出の一部 | 全部は無理でも、扉の彫刻など面影だけは手元に置きたい | 一部を活かして小さく作り直す(リメイク) |
たとえば「手を合わせる対象が残れば十分」という方に、費用をかけて元の仏壇を維持する方法は合いません。逆に「あの彫刻だけは捨てられない」という方が買い替えを選ぶと、新しい仏壇を前にしても心残りが消えないことがあります。
まずはこの表のどれに近いかを考えてみてください。次の章から、それぞれに対応する方法を順に説明します。
仏壇を残す方法は4つ

仏壇を残す方法は、大きく次の4つです。費用と期間の目安を先に一覧にします(リメイクは、一般の業者に頼む場合と結壇の場合とで料金の仕組みが大きく違うため、行を分けて載せています)。
| 方法 | 費用の目安 | 期間の目安 | こんな残し方 |
|---|---|---|---|
| そのまま引き継ぐ | 移設の運送費のみ | 数日〜 | 仏壇を丸ごと自宅・親族宅へ |
| リメイク(一般の業者) | 30万〜100万円程度(自社調べ) | 3ヶ月〜半年程度 | 元の仏壇を小さく作り直す・きれいに直す |
| 結壇のリメイク | 118,000円〜(税込)+引き取り費・供養込み | 約2〜3ヶ月 | 一部を活かして手のひらサイズに |
| 小型仏壇に買い替え | 購入3万〜20万円程度(自社調べ)+元の仏壇の供養・処分費 | 数日〜 | 元の仏壇は手放し、祈る場所を新しく |
| 位牌・本尊だけ残す | 元の仏壇の供養・処分費のみ | 手放す方法による | 手を合わせる対象だけを手元に |
そのまま引き継ぐ
置き場所と日々お世話をする人が確保できるなら、いちばん素直な残し方です。自宅や親族の家に移設して、これまでどおり祀り続けます。
注意したいのは、仏壇の移動にも供養が関わる点です。家から家へ移す場合は、先に閉眼供養(へいげんくよう=仏壇から魂を抜く儀式)をしてから運び、新しい場所で開眼供養を行うという考え方が一般的です。住まいが変わっても気持ちよく手を合わせ続けられるよう、区切りをつける意味合いがあります。宗派によって考え方が異なり、「魂抜き」「閉眼供養」という言葉を使わない宗派もあります。ご自身の宗派の正式な進め方は、菩提寺に確認すると確実です。
小さく作り直す(リメイク)
元の仏壇の木材や彫刻を活かしたまま、今の住まいに合うサイズへ作り直す方法です。あまり知られていませんが、「仏壇というモノそのもの」や「思い出の一部」を残したい方には、そのまま引き継ぐ以外の道になります。
一般的なリメイクには2つの手法があります。
- ダウンサイジング:大きな仏壇を小さな仏壇に作り直す手法です
- 仏壇洗濯(せんたく):元の形のまま、洗浄・塗り直しできれいによみがえらせる手法です。金仏壇に多く行われます
これに加えて、結壇では手のひらサイズまで小さくするリメイクと、1つの仏壇から複数個を作って家族で形見分けするリメイクを行っています。「実家の仏壇を兄弟の誰が引き継ぐか」という話し合いが、「それぞれの家に1つずつ置く」という結論で収まることもあります。
費用は、一般のリメイク業者がオーダーメイド型で30万〜100万円程度(自社調べ)、納期は3ヶ月〜半年程度が目安です。結壇はパッケージ化した料金で118,000円〜(税込・引き取り費別途)、納期は約2〜3ヶ月です。リメイクを手がける業者は職人不足もあって少なく、対応できる店を探すこと自体が最初のハードルになります。業者を比べるときは、費用・納期に加えて、作り直しの前の供養(魂抜き)まで含まれるかも確認したいポイントです(結壇は供養込みです)。
残す部分は「この彫りを残したい」「扉の金具が思い出深い」といったご要望を職人が聞きながら決めていきます。扉・彫刻・木材などの装飾や構造部分が対象で、御本尊は作り直しの素材にはせず、供養したうえで丁重にお引き取りするのが基本です。
小型仏壇に買い替える
元の仏壇は供養して手放し、今の住まいに合うミニ仏壇を新しく購入します。購入費は3万〜20万円程度(自社調べ)で、これに元の仏壇の供養・処分費が加わります。
「手を合わせる対象が残れば十分」という方に合っています。位牌はそのまま新しい仏壇へ移せます。一方で、元の仏壇の面影は残らないため、モノへの思い入れが強い方は後から寂しさを感じることがあります。
位牌・本尊だけ残す
仏壇本体は手放し、位牌や御本尊だけを手元に置きます。追加の費用は元の仏壇の供養・処分費だけで済みます。
位牌を小さな台や棚に安置して日々手を合わせる、いわゆる手元供養に近い形です。仏壇の引き取りとあわせて位牌の扱いを相談できる業者を選ぶと、段取りが一度で済みます。
手放すと決めた場合:処分の方法と費用

手放すと決めた場合も、疑問を残さないよう方法と費用を整理しておきます。どの方法を選ぶ場合でも、先に閉眼供養を済ませ、そのあとに本体を処分するのが基本の順番です。
| 処分方法 | 費用の目安 | 供養の扱い |
|---|---|---|
| 菩提寺に供養を依頼+本体は別途処分 | お布施1万〜5万円程度(自社調べ) | 供養は菩提寺。本体の引き取りは極めて稀 |
| 仏壇店・専門業者に依頼 | 2万〜8万円程度(自社調べ) | 僧侶の手配込みかを要確認 |
| 不用品回収業者に依頼 | 1万〜4万円程度(自社調べ) | 基本なし。先に供養を済ませておく |
| 自治体の粗大ごみ | 数百円〜2,000円程度(自治体により異なる) | なし。運び出しも自分で行う |
注意したいポイントは3つあります。
1. 菩提寺は「供養まで」が基本。寺院が仏壇本体の引き取りまで対応するケースは極めて稀です。供養は菩提寺、本体の処分は別途手配、と分けて考えるのが基本です。
2. 閉眼供養を執り行うのは寺院・僧侶です。仏壇店や業者は僧侶を手配してくれますが、儀式そのものを行うわけではありません。業者を比べるときは「僧侶の手配まで含まれるか」を確認項目に入れてください。
3. 引き出しの中の確認は業者と一緒に。仏壇からは通帳や印鑑、古い写真が出てくることが珍しくありません。まず家族で確認し、手の届きにくい天板の裏などは引き取り当日に業者と一緒に最終確認すると漏れがありません。
なお、結壇では仏壇の処分・供養のご相談も受け付けています。「残すか手放すか、話しながら決めたい」という段階でも、電話やLINEで気軽に相談してください。
残す/手放すを決める4つの判断ポイント

方法が出そろったところで、判断の物差しを4つに絞ります。上から順に考えると結論に近づきやすいはずです。
1. 置き場所と、日々お世話をする人はいるか
そのまま引き継ぐには、スペースと管理する人の両方が必要です。どちらかが欠けるなら、丸ごと残す以外の方法(小さく作り直す・買い替える・位牌だけ残す)を検討する段階です。
2. これからも手を合わせる習慣を続けたいか
「毎日ではなくても、節目には手を合わせたい」という気持ちがあるなら、祈る場所そのものは残す方向で考えるのがおすすめです。処分だけで完結させると、手を合わせる場所が家からなくなります。後から「やっぱり手を合わせる場所が欲しい」と、あらためて小型仏壇を購入する方もいらっしゃいます。
3. 家族・親族はどう感じているか
仏壇は家族みんなのご先祖さまを祀ってきた場所です。トラブルを避けるためというより、みんなのご先祖さまだからこそ、一人で決めずに丁寧に進めたいところです。方向性が固まった段階で兄弟・親族に一声かけ、「何を残したいか」を出し合ってみてください。意見が割れたときこそ、複数個を作って分ける形見分けのような「間の方法」が話し合いの糸口になります。
4. かけられる費用はいくらか
最後が費用です。数百円で済む粗大ごみから、100万円近いフルオーダーのリメイクまで幅があります。ただ、費用を最初の物差しにすると、「安く済ませたけれど心残りがある」という後悔につながりやすくなります。1〜3を先に考えて方法を絞り、そのうえで予算に合う業者を選ぶ順番をおすすめします。
捨てずに残す選択肢:結壇の手のひらサイズリメイク

「モノとして全部は残せない。でも、ただ捨てるのは違う」。その間に答えを用意しているのが、結壇のリメイクです。引き取った仏壇の扉・彫刻・木材といった一部を活かし、職人が手のひらサイズの仏壇に作り直します。お預かりした仏壇は提携寺院で魂抜き(供養)をしたうえで加工するので、儀式の手配を別で行う必要はありません。
料金は次の3コースです(税込)。
- 梅(部分リノベーション):仏壇の一部分を使用。四角型118,000円/円背型128,000円
- 竹(フルリノベーション):引き取った仏壇のみを使用。四角型168,000円/円背型188,000円
- 松(オリジナルオーダー):サイズ・形に制約のないフルオーダー。298,000円〜
納期は約2〜3ヶ月、仏壇の引き取り費は地域別に別途かかります(静岡18,000円〜北海道51,000円・全国対応)。2つ以上作る場合は2つ目以降が30,000円OFFになるため、兄弟・親族での形見分けにも使いやすい料金です。詳細はご利用料金をご覧ください。
実際にご利用いただいた方も、きっかけは「残したい」より「置けない」でした。介護施設への入居で大きな仏壇を持ち込めなかった方、サービス付き高齢者向け住宅への移居を機に金仏壇を手放すことになった方、実家の解体でマンションに置く場所がなかった方。いずれも処分ではなく小型化を選ばれ、「手を合わせることが以前より身近になった」という声もいただいています。詳しくはお客様の声で読めます。
流れは、電話(050-5530-3217)またはLINEでの相談から始まり、見積もり・引き取り・供養・製作・納品と進みます。サービスの全体像は結壇サービスページにまとめています。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
「残す」(引き継ぎ・リメイク)がおすすめな人
- 親や祖父母の代から続く仏壇を、ただ捨てるのは気が引ける
- 実家じまい・引っ越し・施設入居で置き場所はなくなるが、手を合わせる場所は持ち続けたい
- 兄弟の誰が仏壇を引き継ぐか決めかねている(形見分けという解決策がある)
「手放す」(供養+処分)がおすすめな人
- 引き継ぐ人も置き場所もなく、供養で区切りをつけると家族で決めている
- 費用を最小限に抑えることを最優先したい
- 仏壇そのものに思い入れがなく、形を残すこと自体を求めていない
結壇のリメイクをおすすめしない人
- 今すぐ処分を終わらせたい方(製作に約2〜3ヶ月かかります)
- 遠方で、地域別の引き取り費用(18,000〜51,000円)をかけたくない方
- 元の仏壇をそのままのサイズ・形で使い続けたい方(仏壇洗濯を扱う業者への相談が向きます)
よくある質問(FAQ)
Q1. 仏壇を残す(移設・リメイクする)場合でも、魂抜きは必要ですか?
A. 移動や作り直しの前に閉眼供養を行い、新しい形になってから開眼供養をするという考え方が一般的です。区切りをつけて気持ちよく次の形へ移るための儀式と考えてください。宗派・寺院によって考え方は異なるため、菩提寺がある方は事前に相談しておくと当日慌てずに済みます。なお結壇のリメイクでは、供養が料金に含まれています。
Q2. 実家の仏壇を、子どもの誰も引き継げないときはどうすればいいですか?
A. 丸ごと引き継ぐことにこだわらなくて大丈夫です。位牌だけ各自の家へ移す、小さく作り直して置ける家に移す、複数個を作って兄弟で分ける、といった方法があります。「引き継げない=処分するしかない」ではありません。
Q3. リメイクでは仏壇のどの部分を残せますか?
A. 扉・彫刻・欄間・木材などの装飾や構造部分です。「この彫りを残したい」「この金具に見覚えがある」といったご要望を職人が聞きながら、一緒に決めていきます。傷みが強い部分はそのまま使えないこともありますが、その場合も別の部分で面影を残せないか職人が検討します。御本尊は作り直しの素材にはせず、供養したうえでお引き取りするのが基本です。
Q4. 家族で「残す派」と「処分派」に意見が割れています。どう進めればいいですか?
A. 「残す/処分する」の対立のまま話すと平行線になりがちです。それぞれが「仏壇の何を残したいのか(モノか・祈る場所か・思い出か)」を出し合うと、位牌だけ残す、1つの仏壇から複数作って分けるなど、両方の気持ちを満たす方法が見つかることがあります。
Q5. かなり大きな仏壇ですが、小さく作り直せますか?
A. 結壇では3辺合計400cm以内の仏壇を基本サイズとしています。それを超える場合も、できる限り対応方法を一緒に考えますので、まずはおおよその寸法を添えてお気軽にご相談ください。
まとめ:「残す」の中身が決まれば、方法は自然に決まる
仏壇を残すか処分するかは、費用や手間の比較だけでは決められません。先に「自分と家族は仏壇の何を残したいのか」を整理すると、そのまま引き継ぐ・小さく作り直す・買い替える・位牌だけ残す・供養して手放す、のどれが合うかが自然に見えてきます。
そして、残すと手放すの間には「一部を活かして手のひらサイズに作り直す」という方法があります。当店にも「処分するつもりで調べていたら、残せる方法があると知った」というご相談が多く寄せられます。迷っている段階でかまいませんので、一度話を聞かせてください。